下山田駅

下山田駅

下山田駅（しもやまだえき）は、かつて福岡県山田市（現在の嘉麻市）下山田に存在した、日本国有鉄道（国鉄）および九州旅客鉄道（JR九州）の駅でした。

この駅には、上山田線と漆生線が乗り入れており、筑豊地域の重要な鉄道拠点の一つとして機能しました。しかし、利用状況の変化に伴い両路線が相次いで廃止され、最終的に1988年（昭和63年）9月1日をもって廃駅となりました。

歴史

下山田駅の歴史は明治時代に始まります。

1898年（明治31年）2月8日：九州鉄道の駅として開業しました。
1907年（明治40年）7月：鉄道国有法に基づき九州鉄道が国有化され、国鉄の駅となります。
1909年（明治42年）10月：当時の線路名称改定により、若松駅から上山田駅間が筑豊本線の一部とされ、下山田駅も筑豊本線の駅となりました。
1929年（昭和4年）12月：飯塚駅から上山田駅までの区間が筑豊本線から分離され、上山田線として独立。これにより、下山田駅は上山田線所属の駅となります。
1966年（昭和41年）3月10日：漆生線が当駅まで延伸開業し、線路名称上、上山田線と漆生線の接続駅となりました。
1970年（昭和45年）10月1日：旅客輸送に特化するため、貨物取り扱いが廃止されました。
1974年（昭和49年）3月5日：駅業務の一部が外部に委託される業務委託駅となりました。
1986年（昭和61年）4月1日：漆生線が全線廃止され、下山田駅への列車運行が終了しました。
1987年（昭和62年）4月1日：国鉄分割民営化が実施され、下山田駅はJR九州に引き継がれました。
1988年（昭和63年）9月1日：上山田線が全線廃止されたことに伴い、下山田駅もその役割を終え、廃駅となりました。

駅構造

下山田駅は、単式ホームを1面1線有する地上駅でした。晩年は業務委託駅として運営されており、駅舎は開業当時から利用されてきた木造建築でした。かつて筑豊地域の産業を支えていた時代には、この駅を通じて石炭の積み出しも行われていました。

特に興味深いのは、線路名称上は当駅が上山田線と漆生線の分岐駅として扱われていた点です。しかし、実際の線路配置としては、下山田駅から飯塚方面へ約1.7キロメートル離れた嘉穂信号場で漆生線が分岐しており、漆生線の列車は全て上山田線上山田駅方面へ直通運転していました。このため、下山田駅は路線図上での表記とは異なり、実質的には中間駅としての機能に留まっていたと言えます。

駅周辺

駅の周辺には、以下のような施設がありました。

梅林公園
嘉麻市立下山田小学校
下山田郵便局

現状

下山田駅の廃止後、その跡地は公園として整備され、当時の面影は失われています。

隣の駅

廃止時点での隣の駅は以下の通りです。

九州旅客鉄道（JR九州）上山田線
大隈駅 - （嘉穂信号場） - 下山田駅 - 上山田駅
* 日本国有鉄道 漆生線
才田駅 - （嘉穂信号場） - 下山田駅

(注) 漆生線は嘉穂信号場で上山田線と接続していましたが、旅客列車はすべて下山田駅を経由して上山田駅まで乗り入れていました。

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