下山芸術の森発電所美術館

下山芸術の森発電所美術館：歴史と芸術が融合する空間

富山県下新川郡入善町に佇む下山芸術の森発電所美術館は、歴史的建造物を活かした独特の雰囲気を持つ公立美術館です。1925年築の旧黒部川第二発電所を、入善町が北陸電力より無償譲渡を受け、1995年にアート発信拠点として生まれ変わらせました。

建物の歴史と美術館のコンセプト

かつて黒東合口用水の改修に伴い解体予定だった赤レンガ造りの発電所は、町の新たな文化拠点として美術館へと再生されました。内部は、発電所の面影を可能な限り残すことを重視した設計が施され、導水管を展示空間に利用するなど、歴史的建造物の特徴を活かした工夫が随所に凝らされています。常設展示はなく、年間4回の企画展を開催することで、常に新鮮なアート体験を提供しています。

美術館の規模と施設

美術館の延床面積は482平方メートル。天井高10メートル、コンクリート製の床、そして直径2メートルの通水管が3本残るなど、発電所のスケール感を体感できる空間となっています。また、建物の屋上には95平方メートルの赤レンガ製水槽上屋があり、かつてはレストランとして利用されていましたが、現在は『くりこども飯店』というカフェとして営業しています。

美術館周辺の環境

美術館は「下山芸術の森」の中に位置し、美術館周辺にはゲート棟、彫刻広場、芝生広場が整備されています。美術館から階段で河岸段丘を登ると、さらに広大な彫刻広場、カフェ、展望広場、展望塔、宿泊棟、アトリエなどが広がる、豊かな自然に囲まれた環境です。散策や休憩に最適な空間が提供されています。

開館時間、観覧料、アクセス

開館時間: 午前9時～午後5時（入館は午後4時30分まで）
休館日: 月曜日（祝日・振替休日の場合は翌日）、祝日の翌日（祝日・休日を除く）、展示替え期間、年末年始
観覧料: 一般600円、高校・大学生300円、中学生以下無料
駐車場: 約30台

アクセス:
あいの風とやま鉄道入善駅からタクシーで約10分
北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅からタクシーで約15分
* 北陸自動車道黒部インターチェンジから車で約15分

受賞と登録

下山芸術の森発電所美術館は、1996年12月に国の登録有形文化財に登録され、ヘリテージング100選にも選定されています。歴史的価値と芸術的価値を兼ね備えた、貴重な文化施設として高く評価されています。

まとめ

下山芸術の森発電所美術館は、歴史的建造物を再利用したユニークな美術館です。近代建築と現代アート、そして豊かな自然が融合した、他に類を見ない空間を提供しています。富山県を訪れた際は、ぜひ足を運んで、歴史と芸術の調和を体感してみてください。

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