ヘリテージング100選

ヘリテージング100選：日本の近代遺産を巡る旅

毎日新聞社は創刊135周年を記念し、全国から近代遺産を募集、選考委員会を経て「ヘリテージング100選」を選定しました。2006年10月29日の選考委員会では、応募された近代遺産の中から100件が選ばれ、同年11月16日、12月26日、そして2007年1月24日にかけて、毎日新聞紙上で発表されました。

この事業には、国土交通省、文化庁、社団法人日本観光協会、財団法人日本ナショナルトラストが後援し、株式会社博報堂とヘリテージング研究所が企画協力を行いました。

ヘリテージングとは、明治維新から昭和戦前期に造られた近代遺産を観光対象とするレジャーの一形態です。単に建築物や建造物の文化的・学術的価値だけでなく、人々が『なつかしい』『めずらしい』『美しい』といった感動を覚えるかどうかに重きを置いています。ヘリテージング100選の選定においても、この観光価値という観点が重視されました。

選考委員は、伊東孝氏（日本大学理工学部教授）、岸本葉子氏（エッセイスト）、増田彰久氏（写真家）、朝比奈豊氏（毎日新聞社常務取締役主筆）の4名でした。

選定された近代遺産（例）

ヘリテージング100選には、全国各地の多様な近代遺産が選定されています。以下に、いくつかの例を挙げ、その特徴を紹介します。

北海道

旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋りょう群: 廃線となった士幌線のコンクリートアーチ橋は、その雄大な姿と歴史的価値から、多くの人々を魅了しています。特にタウシュベツ川橋梁は、季節によって水没したり姿を現したりする神秘的な景観で知られています。
函館市内: 函館市街地には、和洋折衷の美しい建築物が数多く残されており、異国情緒あふれる街並みを形成しています。旧函館区公会堂や函館ハリストス正教会復活聖堂などは国の重要文化財に指定されています。
小樽市内: 小樽は、かつて国際貿易港として栄え、その歴史を物語る建造物が数多く残っています。旧日本郵船小樽支店など、歴史的建造物が観光資源として活用されています。
野外博物館北海道開拓の村: 開拓時代の歴史を伝える貴重な建造物が保存・展示されています。旧浦河支庁庁舎や旧開拓使工業局庁舎などは国の重要文化財です。

東北地方

岩手県小岩井農場: 明治時代に設立された小岩井農場は、近代農業の技術発展を示す貴重な遺産です。21棟の建造物が国の重要文化財に指定されています。
宮城県旧登米高等尋常小学校校舎: 歴史的な校舎は、その美しい建築様式と教育史における重要性から、国の重要文化財に指定されています。
* 秋田県小坂鉱山事務所・康楽館: 小坂鉱山の事務所と劇場である康楽館は、鉱山町の繁栄と文化を示す貴重な遺構で、国の重要文化財に指定されています。

(以降、各地方の代表的な遺産を同様の記述で記述)

ヘリテージング100選の意義

ヘリテージング100選は、単に近代遺産をリストアップするだけでなく、それらが持つ歴史的・文化的価値を再認識させ、地域活性化や観光振興に貢献する役割を果たしています。選定された遺産は、日本の近代化の歴史を物語る重要な証であり、未来への継承が求められています。これらの遺産を訪れることで、近代日本の歩みと、人々の生活や文化を垣間見ることができるでしょう。

また、ヘリテージング100選は、観光客に新たな視点と感動を提供し、地域経済の活性化にも貢献しています。各地の個性豊かな近代遺産を巡る旅は、日本の歴史と文化を深く理解する上で、大変有益な経験となるでしょう。

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