下山駅 (京都府)

下山駅：京丹波町の静かな駅舎

京都府船井郡京丹波町下山小野に位置する下山駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線に属する地上駅です。1925年（大正14年）10月10日、胡麻駅と和知駅間に新設され、旅客と貨物の取扱いを開始しました。丹波町の中心地から離れた場所に位置していたことから、地域住民の強い要望により開設された請願駅でもあります。

開業から約100年、下山駅の歴史は幾多の変遷を辿ってきました。1963年（昭和38年）に貨物取扱いが廃止され、1971年（昭和46年）には荷物扱いも廃止、無人駅となりました。国鉄分割民営化（1987年）後はJR西日本の駅となり、舞鶴鉄道部の管轄、その後福知山支社直轄、さらに綾部駅、そして福知山駅の被管理駅へと、管理体制が変化しています。2022年10月からは近畿統括本部福知山管理部の管轄下にあります。

駅構造は、列車交換が可能な相対式ホーム2面2線です。駅舎は1番のりば側にあり、2番のりばへは跨線橋で連絡しています。ホーム周辺には桜が植えられ、春には美しい景観が訪れる人を癒します。無人駅であるため有人改札はありませんが、自動券売機が設置されているため、切符の購入に困ることはありません。

かつては1番のりばを上り本線、2番のりばを下り本線として使用していました。そのため、特に上り列車は速度制限が厳しく、通過列車も大幅な減速を余儀なくされていました。しかし、高速改良工事により、現在は1番のりばを上下本線、2番のりばを上下副本線とする1線スルー方式を採用。通過列車や停車列車は原則1番のりばを使用し、行違いが必要な場合のみ2番のりばを使用するシステムとなっています。ホームは両面とも4両編成に対応した長さです。

下山駅は、京丹波町役場への最寄り駅として機能していますが、利用客数は決して多くありません。2021年3月13日以降は、大阪駅からJR線で最も近いICOCA非対応の駅となっています。このため、ICOCAを利用する旅客にとっては不便な点も否めません。

駅周辺には京丹波町町営バスの停留所が複数あり、京丹波町役場、桧山、丹波マーケス、和知駅などへのアクセスも確保されています。バス停は「下山駅」と「下山駅下」の2ヶ所にあり、「下山駅下」停留所へは駅から徒歩約5分です。

隣接駅は、下り方向に和知駅、上り方向に胡麻駅です。静かな山間の駅として、地域の足として、ひっそりと、しかし確実に役割を果たしているのが、下山駅と言えるでしょう。

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