下平正一

下平 正一（しもだいら しょういち）

下平正一は、1918年1月10日に長野県塩尻市で生まれ、1995年8月25日に77歳で亡くなった日本の政治家である。彼は衆議院議員として10期連続当選を果たし、正三位および勲一等という名誉を得た。

来歴と経歴

下平は、地元の長野県東筑摩農学校（現在の長野県塩尻志学館高等学校）を中退し、早くから労働運動に関わりを持っていた。彼は国鉄労働組合長野地方本部の委員長や、塩尻町議会の議員を経験した後、1955年に左派社会党から衆議院選挙に立候補し、初めて当選する。続く1958年の選挙では小沢貞孝と革新分裂選挙を戦いながらも、連続当選を果たした。

その後も小沢と同じ選挙区で熾烈な争いを繰り広げ、最終的には10回連続で当選を達成した。特に1960年の安保闘争の最中には、国会内に導入された警察によって負傷するという経験も持っている。これらの経験は彼の政治活動に強い影響を与えた。

政策と役職

1978年、下平は日本社会党の副委員長に就任し、飛鳥田一雄議員と共に党を運営する立場に立った。この年、彼は自民党の新総裁・大平正芳による首班指名選挙において、非国会議員であった飛鳥田議員を代理として社会党の首班指名候補にする役割を担ったが、結果は大平の首相誕生に終わった。

1981年には、現職の飛鳥田に挑む形で社会党委員長選挙に立候補したが、惜しくも落選。その後、副委員長を辞任することになった。衆院選では1983年に落選し、さらに1986年の衆参同日選挙でも再び落選し、これにより政界から引退することを決意した。なお、彼が築いた地盤は北沢清功が継承することとなった。

後年と功績

下平は1982年に著書「多くを考え一事を為す」を出版し、彼の政治観を提言した。また、1988年4月の春の叙勲により勲一等を受章し、旭日大綬章を賜った。長年にわたる政治活動の成果が評価された形である。

1995年8月25日、彼は77歳でこの世を去った。同年9月5日には、特旨により正三位の位記が追賜され、死没日付での叙位が行われた。彼の生涯は、地域の発展や労働者たちの権利向上に向けた努力の象徴として、後世に語り継がれることだろう。

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