下段駅

下段駅（しただんえき）

駅情報

富山県中新川郡立山町の榎地区に位置する下段駅は、富山地方鉄道立山線に属する鉄道駅です。駅番号として「T48」が付与されています。当駅は、地域の生活に密着した交通拠点としての役割を担っています。

歴史

下段駅の歴史は、大正時代にさかのぼります。1921年（大正10年）3月19日、立山鉄道の駅として産声を上げました。しかし、開業から十数年後には、一度その姿を消す時期がありました。具体的には、1936年（昭和11年）8月18日に廃止されたのです。地域から駅がなくなるという出来事でしたが、幸いなことにその状況は長くは続かず、同年12月26日には早くも営業を再開しました。これは、地域にとって駅の存在がやはり不可欠であったことを物語っています。その後、時代の流れと共に駅の運営体制にも変化が見られ、1977年（昭和52年）7月1日からは駅員の配置されない無人駅となりました。これ以降、駅舎は残るものの、利用者は自身で乗降や運賃の支払いを行う形が現在まで続いています。

駅構造

駅の構造は非常にシンプルです。地上に単式ホームが一つのみ配置されており、このホームに接する形で線路が一本敷かれています。これが当駅の基本構造である単式ホーム1面1線です。駅舎は木造で、地域の歴史や景観に溶け込むような、どこか懐かしい趣のある佇まいを見せています。前述の通り、現在は駅員が常駐しない無人駅として運営されており、乗車券の購入などは事前に済ませるか、降車時に対応する必要があります。ホームへのアクセスは駅舎を経由するのが一般的です。

利用状況

下段駅の利用状況について、「統計たてやま」の公表データから近年の傾向をうかがい知ることができます。例えば、2019年度における一日あたりの平均乗降人員は90人でした。この数値は、都市部の主要駅と比べれば小規模ですが、地域住民の日常生活における移動手段として、一定の利用があることを示しています。学生の通学や地域住民の買い物、病院への通院など、様々な目的で利用されていると考えられます。

駅周辺

駅周辺は、地域の生活を支える施設が点在しています。主なものとしては、立山町中央体育センターがあり、地域住民のスポーツ活動や健康増進の場として利用されています。また、地域の幼い子どもたちが通う立山町立下段保育所や、住民同士の交流や地域活動の拠点となる立山町立下段公民館なども近くに位置しています。これらの施設からも、下段駅が地域社会の中心的な場所に立地していることがわかります。

隣接駅

富山地方鉄道立山線において、下段駅は特定の列車のみが停車する駅です。優等列車に分類されるアルペン特急や特急列車は、当駅には停車せず通過します。停車するのは普通列車のみです。普通列車を利用した場合の隣駅との関係は以下の通りです。

富山方面：榎町駅（駅番号T47）
立山方面：釜ヶ淵駅（駅番号T49）

このように、下段駅は普通列車によってのみ、両隣の駅と結ばれています。駅番号も連続しており、路線内の位置関係を明確に示しています。

下段駅は、その歴史的な背景と現在の無人駅という形態、そして地域に根差した立地から、富山地方鉄道立山線沿線の生活を感じさせる一つの象徴と言えるでしょう。今後も地域の足として、静かにその役割を果たしていくことでしょう。

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