乗降人員

乗降人員の概要

公共交通機関における乗降人員とは、鉄道やバス、航空機などで各駅、空港、停留所において乗降した人々の数を指します。この指標は、乗降客数や乗降者数とも称され、特定の駅や停留所での交通利用の実態を把握するために用いられます。乗降人員は基本的に、利用者の乗車数と降車数の合計から算出されるため、一般的にはその指標を見ればどのくらいの人がその地点を利用したのかが分かります。

鉄道における乗降人員の特徴

鉄道の場合、乗降人員は主に駅の改札を通過した人々の数を反映しますが、同じ鉄道事業者の路線間においては、乗り換えの際に改札を通らない乗客は含まれません。たとえば、東京駅や大阪駅などで乗り換えを行う際に、多くの乗客が改札を通らずに移動する場合、これらの人々は乗降人員から除外されます。他方、異なる事業者間の直通列車利用者は、全く改札を通らずともカウントされるため、この数値だけでは駅の混雑具合を正確に把握できないことがあります。

このように、乗降人員は駅の利用状況を示す重要な指標ではありますが、必ずしもその駅の重要性や混雑度を反映しているとは言えません。事業者ごとに乗降人員の算出法が異なり、乗車人員のみを公表する場合も多いため、比較する際には注意が必要です。特に、通過人員と乗降人員を混同しないようにしましょう。

乗車人員の算出方法

乗車人員は、各駅で販売された乗車券の枚数に基づいて算出されます。片道乗車券は1枚、往復券は2枚、そして定期券は購入期間にもとづいて計算されます。しかし、途中下車や定期券を用いた未通過の乗客はこのカウントに含まれないため、秘境駅のような場合、実際の利用者数と乗車人員の数には乖離が生じることがあります。事例として、小幌駅や宗太郎駅などが挙げられます。

降車人員の定義

降車人員は、乗車人員と同様に駅での降車数を基に定義され、定期券を含む多くのパターンから算出されます。降車人員を正確に把握することも、公共交通機関の利用状況を分析する上で欠かせません。

通過人員について

通過人員は乗降人員とは異なり、各駅を経由せずに他の駅間を移動した人々の数を示します。この指標は、特定の路線における利用状況や動向を捉える上で非常に重要です。たとえば、都市間を結ぶインターアーバン形式の鉄道路線においては、始発駅付近と終着駅付近での通過人員が高く、逆にその中間地点では比較的低くなる傾向が見られます。

乗降人員と通過人員の実用性

乗降人員は優等列車の停車駅を選定する際の基準の一つとして利用されるのに対して、通過人員は、列車のダイヤ設定に影響する要素の一つとなります。ただし、乗降人員が常にその駅の実態を反映しているわけではなく、例えば、休日のみ混雑する観光地へのアクセス駅などでは、数値だけでは交通の実態が見えてこないこともあります。

このような交通データは、鉄道や公共交通機関の利用状況を深く理解するために欠かせないものであり、様々な場面で重視されています。各社が発行している会社要覧や専門誌でこれらに関する情報を見ることができます。

もう一度検索