下総教育航空群

下総教育航空群について

下総教育航空群（しもふさきょういくこうくうぐん、Air Training Group Simofusa）は、海上自衛隊の教育航空集団に属する教育航空群の一つです。主に、P-3C哨戒機などの固定翼機の操縦士や航空士を育成するための教育訓練を行っています。部隊は千葉県柏市にある下総航空基地に所在し、群司令は1等海佐（一）が務めています。

概要

下総教育航空群の中核をなす第203教育航空隊は、海上自衛隊が運用する固定翼機の操縦士と航空士の最終教育を担当する部隊です。ここで所定の教育課程を修了すると、正式な搭乗員として認められ、ウイングマーク（航空機搭乗員徽章）が授与され、各部隊へ配属されます。

教育に使用される航空機のコールサインは「アトラス」です。

沿革

下総教育航空群の歴史は、1974年（昭和49年）に遡ります。

1974年2月16日：下総教育航空群が新編されました。これは、鹿屋教育航空群が廃止されたことに伴い、同群隷下の第205教育航空隊と第201支援整備隊が鹿屋航空基地から移転し、新たに編入されたことによります。新編時の編成は、司令部、第205教育航空隊、第201支援整備隊、下総航空基地隊でした。
1987年12月1日：第206教育航空隊が新編され、P-3C哨戒機が配備されました。
1993年9月27日：下総航空基地隊隷下に下総救難飛行隊が新編されました。
1997年3月24日：第206教育航空隊が第203教育航空隊に、第201支援整備隊が第203支援整備隊に改称されました。
1998年12月8日：補給整備部門の組織改編により、第203支援整備隊が第203整備補給隊に改編されました。
2008年3月26日：体制移行に伴う部隊改編により、下総救難飛行隊が廃止され、同隊所属機は館山航空基地に移転し、第21航空群「第73航空隊」が新編されました。
2011年6月1日：YS-11T-A輸送機の除籍に伴い、第205教育航空隊が廃止されました。また、第203整備補給隊の第2031検査隊と第2032検査隊が統合され、第203検査隊に改編されました。
2018年3月23日：航空部隊の改編が行われ、第203教育航空隊の第203列線整備隊と第203整備補給隊の第203検査隊が廃止、統合され、第203整備補給隊に第203機側整備隊が新編されました。また、下総航空基地隊の警衛隊、運航隊地上救難班、管理隊車両班が統合され、下総航空警備隊に改編されました。
2024年4月2日：第203教育航空隊にP-1哨戒機が配備されました。

部隊編成

下総教育航空群は、以下の部隊で構成されています。

下総教育航空群司令部（下総航空基地）
第203教育航空隊
隊本部
第203教育飛行隊：P-3C、P-1
第203学生隊
第203整備補給隊
隊本部
第203航空機整備隊
第203電子整備隊
第203武器整備隊
第203機側整備隊
第203補給隊
下総航空基地隊
隊本部
下総管理隊
下総航空警備隊
下総運航隊
下総経理隊
下総厚生隊
下総航空衛生隊

教育課程

下総教育航空群では、以下の教育課程が実施されています。

実用機（VP）課程：固定翼機の操縦士を養成する課程
航空士戦術課程：航空士としての戦術能力を向上させる課程
海曹士航空士機上整備課程：航空機の機上整備に関する知識と技能を習得する課程
海曹士航空士機上電子整備課程：航空機の機上電子機器の整備に関する知識と技能を習得する課程
海曹士航空士対潜（音響）課程：対潜水艦戦における音響に関する知識と技能を習得する課程
海曹士航空士対潜（非音響）課程：対潜水艦戦における非音響に関する知識と技能を習得する課程
海曹士航空士武器課程：航空機搭載の武器に関する知識と技能を習得する課程
幹部航空士機上整備課程：幹部航空士として必要な機上整備に関する知識と技能を習得する課程

主要幹部

主要な幹部の役職は以下の通りです。

群司令

脚注

海上自衛隊の教育航空群の一つです。

関連項目

徳島教育航空群
小月教育航空群

外部リンク

下総教育航空群
下総教育航空群【公式】(@jmsdf_smatg) - Twitter
航空隊及び教育航空隊の編制に関する訓令
整備補給隊の編制に関する訓令
航空基地隊の編制に関する訓令

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