下郡平治

下郡平治は、1906年（明治39年）3月31日に生まれ、1993年（平成5年）に亡くなった日本の政治家です。大分県大分郡明治村（現在のも大分市の一部）出身で、教育者としてのキャリアをスタートさせました。大分県立三重農学校を卒業後、大分県立実業補習学校教員養成所（現在の大分大学教育学部）を修了し、県内の青年学校で教鞭を執りました。

1943年（昭和18年）には大分県視学に就任し、教育行政の分野で活躍しました。その後、1946年（昭和21年）には戸次専修女学校長となり、戦後の教育現場の復興に尽力しました。教育者としてキャリアを積んだ後、政治の世界へ足を踏み入れます。

1947年（昭和22年）、下郡は明治村の村長に選出され、政治家としての第一歩を踏み出しました。1953年（昭和28年）まで村長を務め、その後、明治村は周辺の町村と合併し、1954年（昭和29年）に鶴崎市が誕生しました。同年、下郡は鶴崎市酪農連合会長、昭和井路土地改良区庶務理事に就任し、地域社会の発展に貢献しました。1955年（昭和30年）には大分県議会議員に選出され、1期務めました。

1958年（昭和33年）4月17日に県議を辞職し、同年、鶴崎市長選挙に立候補し当選しました。鶴崎市長としての彼の最大の功績は、大分市との対等合併を推進したことです。合併後は、工場誘致や新産業都市建設などのプロジェクトに力を注ぎ、鶴崎市の発展を牽引しました。1963年（昭和38年）に鶴崎市は大分市と合併し、下郡は市長の職を退きました。

その後、1965年（昭和40年）には大分市議会議員に当選し、政治家としての活動を続けました。1993年（平成5年）に生涯を閉じましたが、彼の政治家としての功績は、今日の地方自治の発展に大きな影響を与えています。

下郡平治は、教育者から政治家へと転身し、激動の時代の中で地域社会の発展に尽力した人物でした。鶴崎市長時代には、大分市との合併を主導し、合併後の新たな街づくりに貢献しました。彼の功績は、大分県の歴史に深く刻まれています。

参考文献

『大分県歴史人物事典』大分合同新聞社、1996年。
『全国歴代知事・市長総覧』日外アソシエーツ、2022年。

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