下部温泉早川インターチェンジ

下部温泉早川インターチェンジ：南アルプスの玄関口

山梨県南巨摩郡身延町に位置する下部温泉早川インターチェンジ（しもべおんせんはやかわインターチェンジ）は、中部横断自動車道に属する重要なインターチェンジです。当初は『身延インターチェンジ』の仮称でしたが、2016年に現在の名称に正式決定しました。

開通までの道のり

下部温泉早川ICの建設は、2009年に着工。六郷インターチェンジ～富沢インターチェンジ間は、新直轄方式による無料区間として整備が進められました。その後、2019年3月10日には下部温泉早川IC～六郷IC間が開通、そして2021年8月29日には南部IC～下部温泉早川IC間が開通し、アクセス性が大きく向上しました。

地理的な位置とアクセス

インターチェンジ名の通り、下部温泉へのアクセス拠点として機能しています。温泉地までは車で約5分と至近距離です。また、身延町下山地区や早川町への最寄りICでもあるため、赤沢、西山温泉、奈良田温泉などへのアクセスにも便利です。南アルプス登山を計画する方にとっても重要な拠点となります（ただし、奈良田以北はマイカー規制に注意が必要です）。

近隣には、身延線波高島駅や富士川クラフトパーク（道の駅「みのぶ富士川観光センター」併設）があります。富士川クラフトパークへはインターチェンジから車で約5分です。

接続道路

下部温泉早川ICは山梨県道9号市川三郷身延線に直接接続しています。

中部横断自動車道における位置

中部横断自動車道においては、身延山ICと中富ICの間に位置しています。（身延山IC - 下部温泉早川IC - 中富IC）

過去の経緯と現在の意義

興味深いことに、下部温泉早川ICの建設は、半世紀以上にわたる歴史的経緯と深く関わっています。1957年に計画された中央自動車道は、当初、富士吉田市から精進湖、身延町、赤石山脈を貫通して飯田ICに至るルートが予定されていました。このルートには、現在のIC付近に『富士川インターチェンジ（仮称）』が設置される計画もありました。

しかし、精進湖から富士川までの急勾配や、赤石山脈の難工事などを考慮し、1963年にルートは甲府盆地と諏訪盆地を迂回するルートに変更されました。そのため、富士川インターチェンジは実現しませんでした。

それから約56年。経路こそ東西から南北へと変更されましたが、下部温泉早川ICの誕生は、身延町にとって長年の悲願であった高速道路インターチェンジの設置という夢の実現を意味しています。

まとめ

下部温泉早川インターチェンジは、下部温泉へのアクセス、南アルプス登山、そして身延町、早川町へのアクセスを容易にする重要な交通拠点です。その建設には、半世紀以上にわたる歴史的背景があり、地域の活性化に大きく貢献しています。周辺観光資源との連携も期待され、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。

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