下関漁港

下関漁港：歴史とフグが香る港町

下関漁港は、山口県下関市に位置する重要な漁港であり、特定第3種漁港に指定されています。この漁港は、下関駅に近い大和町にある本港（山口県管理）と、彦島西部に位置する南風泊（はえどまり）分港（下関市管理）の2つの主要なエリアに分かれています。

全国唯一のフグ専門漁港

特に南風泊分港は、全国で唯一のフグ専門の漁港として知られています。下関はフグの取扱量が多く、「ふぐ」という名称ではなく、縁起を担いで「ふく」と呼ぶことが多いです。新鮮なフグを求めて、多くの人々や飲食店関係者がこの港を訪れます。

歴史的建造物とギネス記録

下関漁港には、水産庁が発表した「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選定された下関漁港閘門があります。この閘門は、世界一小さなパナマ運河式閘門としてギネス世界記録に認定され、ギネスブックにも登録されています。歴史的な価値とユニークな構造が評価されています。

市場の概要

下関漁港

卸売市場名: 山口県下関漁港地方卸売市場
市場開設者: 山口県
卸売業者名: 下関中央魚市場（株）、下関唐戸魚市場（株）
買受人数: 73人
買受人組合: 下関水産物卸協同組合、下関唐戸魚市場仲卸協同組合

下関漁港南風泊分港

卸売市場名: 下関市
市場開設者: 下関市
卸売業者名: 下関唐戸魚市場（株）
買受人数: 20人
買受人組合: 下関唐戸魚市場仲卸協同組合

市場の基本施設

卸売場: 10,339㎡
下関漁港ビル: 1676㎡
漁港ビル本館南2階: 3641㎡
10号上屋（水産倉庫、魚函倉庫等）: 631㎡
福利厚生施設: 1500㎡
正門守衛所: 16㎡
北門守衛所: 20㎡

沿革

1928年: 漁港修築計画策定（年間10万トン処理）
1936年: 下関漁港閘門を設置
1942年: 下関市中央市場（市営）開場
1947年: 昭和天皇の行幸
1950年: 下関漁港市場（民営）開場
1951年: 韓国輸入水産物水揚開始
1952年: 山口県が漁港管理者となる
1960年: 特定第3種漁港に指定
1966年: 水揚量が全国一を記録（285,255トン）
1970年: 南風泊分港完成
1973年: 下関漁港地方卸売市場開設者を山口県に移行
1974年: 下関市地方卸売市場南風泊市場の開場
1983年: 第1回下関さかな祭を開催
1985年: ふぐの販売及び処理の規制に関する条例施行
1986年: 鉄道用冷蔵コンテナ60基設置
1990年: 活魚施設増設（134㎡）
2000年: 下関漁港福利厚生施設を新設
2004年: 国の構造改革特区の認定を受ける
2014年: 旧本館を解体
2015年: 7号上屋、西館を解体
2016年: 9号上屋（トラックヤード）および東館を解体、10号上屋（水産倉庫）を新設
2017年: 本館を解体
2018年: 冷蔵庫上屋を解体
2020年: 本館南2工区完成、卸売場供用開始、新しい下関漁港ビル完成

主な魚種

フグ: 2002年度陸揚量全国1位
アンコウ: 2002年度陸揚量全国1位
エイ: 2002年度陸揚量全国1位
エソ: 2002年度陸揚量全国1位
ハギ類: 2002年度陸揚量全国1位
ムツ: 2002年度陸揚量全国1位
サザエ: 2002年度陸揚量全国1位
ハマグリ: 2002年度陸揚量全国1位
アナゴ: 2002年度陸揚量全国2位
ホウボウ: 2002年度陸揚量全国3位
ヒラメ: 2002年度陸揚量全国5位
カレイ: 2002年度陸揚量全国6位
イワシ
アジ類
イカ類

主な漁業

底引き網漁業（沖合底引き網）
まき網漁業（巾着網）
底引き網漁業（小型船底引き網）
敷き網漁業
* はえなわ

下関漁港は、フグをはじめとする多様な魚種の水揚げで知られ、地域の経済と食文化を支える重要な役割を果たしています。また、その歴史的な背景と独自の施設は、観光資源としても大きな魅力を持っています。

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