不受不施日蓮講門宗

不受不施日蓮講門宗の概要

不受不施日蓮講門宗（ふじゅふせにちれんこうもんしゅう）は、日蓮を宗祖、日奥を派祖とする日蓮系の宗派です。この宗派は、特に「不受不施」という教義を重んじ、幕府から弾圧を受けながらもその信条を守ってきました。

歴史と背景

不受不施という考え方は、施しを受けずに自立した宗教活動を行うことを目的としています。しかし、この思想を掲げた寺院は、江戸時代に入ると幕府からの厳しい弾圧の対象となりました。特に、寺請制度の下で信徒の確保が厳しく制限され、信者が寺請できない状況に追い込まれました。このため、教団は法中（僧侶）、法立（不受不施の信者）、内信（他宗派を装う信者）という形で地下活動を余儀なくされました。

1700年代の初め、岡山で法立が内信の導師を務めたことがきっかけで、教団内では意見の対立が生じました。結果的に、日指派と津寺派に分かれることとなり、これが後の不受不施日蓮講門宗の形成へとつながります。

重要な出来事

1580年代から1800年代にかけて、幾度かの重要な出来事が発生しました。

• - 1595年（文禄4年）、日奥率いる京都の妙覚寺が不受不施義を主張したことで弾圧を受けました。
• - 1630年（寛永7年）、徳川幕府は不受不施派の僧侶を江戸城に呼び出し、対論を行いました。
• - 1665年（寛文5年）、幕府は不受不施派の禁制化を始めました。この時期、不受不施派の僧侶は隠れて活動することを余儀なくされました。
• - 1682年（天和2年）、教団内部での対立が激化し、日指派と津寺派に分裂しました。
• - 1871年（明治4年）、明治政府による寺請制度の廃止により禁制が解かれ、その後1882年には日蓮宗不受不施講門派が再興されることが認められました。これは長い間続いた弾圧の時代を経て、信徒が自由に宗教活動を行えるようになった重要な瞬間でした。

現在の状況

1941年、日蓮宗不受不施講門派は本山本覚寺と日蓮宗不受不施派（本山妙覚寺）との合同により、本化正宗と名乗るようになりました。しかし、1946年には再び分派し、日蓮講門宗として独立しました。現在ではこの宗派は、日蓮の教えを受け継ぎながらも、自らの特性を持った宗教団体として活動を続けています。

まとめ

不受不施日蓮講門宗は、日蓮の教えを根幹に持つ宗派でありながら、数世代にわたり弾圧や内部対立を克服し、独自の教義を育んできた歴史ある団体です。その教えは現在でも多くの信者に支持され、地域社会での活動を通じて伝承されています。

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