不受不施派

不受不施派について

不受不施派（ふじゅふせは）は、日蓮の教義を特に重視し、法華経を信じていない人々からの施しを受けることや法施を行うことを避ける教義を守る宗派の総称です。この派は、歴史的な背景とともに、その信仰の成り立ちや社会との関わりが深く関与しています。

不受不施義の歴史的背景

不受不施派が注目を浴びるようになったのは、文禄4年（1595年）に豊臣秀吉が京の大仏にための供養に日蓮宗を含む様々な宗派を招待したことがきっかけでした。これに対し、日蓮宗内で意見が分かれ、出仕を受け入れる受不施派と、教義を維持しようとする不受不施派に分裂しました。特に、妙覚寺の住職である日奥は、不受不施の信念を貫くために出仕を拒否し、これが対立の始まりとなりました。

慶長5年（1599年）には、徳川家康の元で日奥と受不施派の代表日紹との対論が行われ、日奥はその意志を貫いたために流罪となりました。これ以降、不受不施派は社会的、宗教的な圧力の中でその立場を守るために必死の奮闘を続けました。

教義の維持と宗論の展開

慶長13年（1608年）には、浄土宗と法華宗の間で宗論が行われましたが、この際にも日経が病気や敵による襲撃のために参加できず、廓山側が論破したとされています。このような宗論の中で、不受不施派はさまざまな試練に直面し、慶長14年（1609年）には日経が厳しい刑罰を受けました。

さらに、寛永7年（1630年）には、受不施派が幕府に訴え、不受不施派はその存在を脅かされることとなりました。結果として、幕府は不受不施派に対して圧力をかけ、法律上の制約を強化しました。その後、寛文9年（1669年）には、完全に禁制宗派とされるようになり、信者たちは厳しい取り締まりに晒されることになりました。

地下組織と信者たちの抵抗

このような厳しい状況下でも、不受不施派の信者たちは密かに信仰を守り続け、他宗派からの支援を受けながらも内心では不受不施義を堅持する者が多かったです。信者同士の絆が強固であり、この派は地下組織として困難な時代を生き抜きました。岡山などでは、導師を巡る論争が起き、二つの系統に分かれることとなりました。

近代への適応

江戸時代末期になると、不受不施派は依然として弾圧の対象とされ続けましたが、明治9年（1876年）には再興の機会が与えられ、数万の信者が存在していることが確認されました。信者たちは、厳しい迫害の中でも信仰を守ってきたのです。

その後、昭和15年（1940年）に宗教団体法により、両派は合同し「本化正宗」として認可を受けましたが、戦後には再び分派し、現在もそれぞれの信仰を継承しています。不受不施派の歴史は、信仰と教義の維持に向けた彼らの不断の努力の証であり、その精神は現代においても色褪せることがありません。

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