与那原良矩

与那原 良矩（よなばる りょうく）

与那原良矩は、1718年6月29日に生まれ、1797年10月23日に他界した琉球王国の政治家であり、歌人です。彼は尚穆王・尚温王時代に活躍し、正式な称号として与那原親方良矩を持ちます。良矩は政治や文化において重要な役割を果たし、現在でもその名は沖縄の歴史に広く知られています。

家族と背景

良矩の唐名は馬国器であり、童名には思亀及び仁嶽という別名を持ちます。彼の父親は良暢、母親は真加戸樽です。良矩の家系は、馬氏小禄殿内の分家である馬氏与那原殿内に属し、その系譜には九世の大里親方良安がいます。彼の家譜は現存していないため、詳細な経歴は解明されていませんが、親方に昇進したことから、当時の上級士族であったことが推測されます。

政治活動と儒教の実践

1762年、良矩は進貢正使として中国に渡りました。続く1765年には、報告のために薩摩へと上国します。彼はのちに君子親方とも称され、儒教の実践者としても知られるようになりました。1769年には三司官に就任し、1796年までの28年間にわたりその地位にありました。この長い任期の間に、彼は琉球の政治と文化を支える重要な存在であり続けました。

学問と歌

良矩は漢学にも優れ、特に『琉球科律』の編纂に貢献しました。その学問的な活動は、琉球王国の文化や教育に大きな影響を与えました。加えて、彼は歌人としても高名であり、沖縄三十六歌仙の一人とされています。彼の詩作は、島の風景や人々の生活を表現した作品で有名です。特筆すべきは、宜湾朝保の『沖縄集』に収録された「月下擣衣」という歌で、これは静かな夜に衣を擣く様子が描かれています。この作品は、良矩の優れた詩才を示すものとされています。

歴史的評価

「沖縄一千年史」を著した真境名安興によれば、古くから著名な琉歌の歌人の一人として良矩は言及されています。彼の詩は、後世においても多くの人々に読み継がれ、琉球文化の重要な一部分として位置づけられています。良矩の業績は、琉球王国の時代の文化的遺産に今も影響を与えています。

系譜

良矩は、以下の系譜を持っています。

• - 4世：良安
• - 5世：良理
• - 6世：良義
• - 7世：良昌
• - 8世：良暢
• - 9世：良矩
• - 10世：良頭
• - 11世：良慶
• - 12世：良綱
• - 13世：良恭
• - 14世：良傑

与那原良矩の人生を通じて、彼の貢献は政治、文化、教育の各分野に及び、現代においても琉球王国における重要な人物であることが再確認されています。

もう一度検索