世にも奇妙な物語 SMAPの特別編

2001年元旦に放送された特別番組『世にも奇妙な物語 SMAPの特別編』は、人気オムニバスドラマシリーズの歴史において特筆すべき作品です。この回最大の特徴は、当時国民的アイドルグループであったSMAPのメンバー全員が、制作された全5話それぞれの主演を務めた点にあります。シリーズ全体の案内役であるストーリーテラーは、お馴染みのタモリが担当しました。

本作は後に大きな反響を呼び、2008年4月28日には「ドラマレジェンドスペシャル」として再放送され、18.3%という高い視聴率を記録しました。また、この特別編はビデオ版およびDVD版としてもリリースされており、現在でも鑑賞することが可能です。

番組を構成する5つの物語は、いずれもSMAPメンバーそれぞれの個性を活かした、奇妙で不可思議な世界観が描かれています。

各話紹介

1. エキストラ
主演: 香取慎吾
概要: バイト探し中の青年・一郎（香取慎吾）が「エキストラ募集」の広告に応募するところから物語は始まります。面接後すぐに採用されますが、一向に撮影の連絡は来ません。やがて、町ゆく人々が皆手に台本を持ち、それぞれの役柄を忠実に演じている異様な光景に気づきます。この世界は台本によって支配されているのではないかという疑念を抱く中で、ベテラン清掃員の徳田（河原さぶ）とその謎めいた娘はる香（矢田亜希子）との交流を通じて、主人公はこの世界の隠された真実へと迫っていきます。
主な共演者: 矢田亜希子、河原さぶ、陰山泰 他

2. 13番目の客
主演: 草彅剛
概要: 会社経営者の本田謙一郎（草彅剛）は、次の目的地へ向かう途中で偶然見つけた古風な床屋に立ち寄ります。しかし、髪を切り終えて店を出ようとしても、なぜか外に出ることができません。この店は13人の理容師で成り立っており、月に一人客が来ては、一番古株の理容師がその客の髪を切って卒業し、その客が新たな理容師として加わるという、厳格な規律に縛られた場所であることが判明します。最初は反抗する謙一郎でしたが、規律を破ったことで食事も与えられず衰弱していきます。店の先輩である孝（二瓶鮫一）の助けもあり、彼は次第にこの奇妙な運命と店の規律の重要性を理解し、受け入れていきます。そして数ヶ月後、彼自身の卒業の日が訪れます。
主な共演者: 並樹史朗、大河内浩、二瓶鮫一、大杉漣 他

3. BLACK ROOM
主演: 木村拓哉
概要: 久々に実家へ帰省したナオキ（木村拓哉）を待ち受けていたのは、どこか様子がおかしい両親（樹木希林、志賀廣太郎）と、家の中が真っ暗であるという異様な光景でした。主人公が尋ねても、両親はただ「リフォームした」と繰り返すばかりで、全く取り合ってくれません。不可解な家族の行動と、暗闇に包まれた家の中で、不気味でシュールな時間が流れます。
主な共演者: 樹木希林、志賀廣太郎、我修院達也 他

4. 僕は旅をする
主演: 稲垣吾郎
概要: 稲垣吾郎が主演を務めたエピソードです。※詳細な物語の内容は提供情報に含まれておりません。

5. オトナ受験
主演: 中居正広
概要: 彼女の由香（広末涼子）と映画を楽しんでいた洋二（中居正広）は、突然、運転免許証のような「オトナ免許」の提示を求められ、提示できなかったために謎の施設に収容されてしまいます。同室になった高橋（近藤芳正）から、大人による子供じみた犯罪や行動が増えたため、国が法的に大人を定義し、「オトナ免許」が必要になったという制度の存在を知らされます。当初は半信半疑だった洋二も、由香に「子供とは付き合えない」と振られたことで、本気で免許取得を目指します。しかし、最終試験では施設を脱走し捕らえられた高橋と再会し、「大人としてこの男をどう処断すべきか」という残酷な問いを突きつけられます。彼の選択は、高橋の未来を左右する「永久子供」の烙印に関わるものでした。現代社会への皮肉や、大人であることの意味を問うディストピア的な物語です。
主な共演者: 広末涼子、山田明郷、近藤芳正 他

この特別編は、それぞれの物語が SMAP メンバーの演技力を引き出しつつ、シリーズならではの不条理や恐怖、感動など、多彩なテーマを描き出しました。構成は中村樹基、演出は星護らが手掛け、制作にはフジテレビと共同テレビ、東北新社が関わっています。

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