世界にひとつのプレイブック

映画『世界にひとつのプレイブック』の概要



『世界にひとつのプレイブック』（Silver Linings Playbook）は、デヴィッド・O・ラッセル監督によるアメリカのコメディ・ドラマ映画です。この作品は、マシュー・クイックの同名小説を原作としており、ラッセル自身が脚本を執筆しました。主演にはブラッドリー・クーパーやジェニファー・ローレンス、さらにロバート・デ・ニーロやジャッキー・ウィーヴァーなどが起用されています。本作は、2012年9月に開催された第37回トロント国際映画祭でプレミア上映され、11月21日にアメリカ合衆国で一般公開されました。その後、第85回アカデミー賞で8部門にノミネートされ、ナチュラル・パフォーマンスでローレンスが主演女優賞を受賞しました。

あらすじ



物語は、躁うつ病を抱える主人公パットの人生を描いています。彼は8ヶ月間の入院生活を終え、実家で両親と共に療養をしながら、新たなスタートを切ろうと奮闘しています。その過去には、元妻の浮気を目撃し、感情的になって暴力を振るったことがあり、その結果、入院を余儀なくされたのです。現在も彼は、自分が正常であると信じ、復縁を狙って元妻に連絡を取ろうと試みています。

ある日、友人のロニー夫妻に招かれての食事会で、パットはロニーの妹ティファニーと出会います。彼女は夫を失った未亡人で、精神的なトラウマからさまざまな問題を抱えていました。互いに傷を抱える二人は、まるで互いに引き寄せ合うかのように、薬物療法の話から意気投合し、一緒に食事をすることになりますが、最終的にはうまくいきません。そんな中、パットは元妻に連絡を取るためにティファニーを利用し、彼女とのダンスパートナーの関係を築くことになります。

ティファニーは自身のダンスコンテスト出場を決意し、パットをそのパートナーに選びます。二人はともにダンスを通して心を通わせ、ティファニーは自身の性依存症について語り、自らの過去と向き合っていく。ダンスを通じてパットも回復を実感し、徐々に自身の気持ちを整理していくのです。ダンスコンテストの日、ティファニーはパットとの息の合ったダンスを披露しますが、彼らのパフォーマンスは素人らしいものであり、観客の笑いを誘います。それでも、目標得点を達成できたことに喜びを感じ、パットは元妻と会話を持ちます。

しかし、パットは元妻に未練が薄れ、ついにティファニーとの関係に目覚めていきます。二人はお互いに引かれ合い、心の絆を深めていくのです。母のように支える家族とは違い、ティファニーと共に過ごすことで、パットは新たな未来に向かって進む決意を固めていきます。

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製作背景



本作の製作は、ワインスタイン・カンパニーが原作が出版される前に権利を購入し、数年にわたりストーリーが練られてきました。デヴィッド・O・ラッセルがこのプロジェクトに関わったのは、家族関係や自身の経験と重なる部分があったからです。主要な撮影は33日間で終了しました。

本作は、心の傷を抱えた人たちの葛藤や、愛と回復の物語をユーモアを交えて描いており、観客に深いメッセージを残す作品となっています。

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