世界労働組合連盟

世界労働組合連盟

世界労働組合連盟（WFTU）は、ギリシャのアテネに本部を置く国際的な労働組合組織です。自称でありながら、現在約110ヵ国、7,200万人がこの組織に加盟しているとされています。労働者の権利の保護と向上を目指し、国際の安全な労働環境の確保を重視しています。

歴史的背景

この組織の起源は、1945年に遡ります。第二次世界大戦の終結後、フランスのパリで行われた国際労働組合会議および労働組合大会によって、56カ国からなる世界労働組合連盟が設立されました。当初は6,880万人の労働者が加盟していました。しかし、その後の国際政治や経済の状況により、状況は変わり始めました。

1949年、アメリカの労働組合団体であるAFL-CIOなどが、マーシャル・プランに対する立場の違いから連盟を脱退しました。この脱退に続き、国際自由労働組合総連盟（ICFTU）の設立がありました。また、ユーゴスラビアや中華人民共和国の労働組合も、それぞれの政府がソ連とイデオロギー的に対立することにより、連盟から離れていきました。

冷戦期以降の変化

1990年代には、ソビエト連邦の崩壊や東欧諸国の変革により、多くのナショナルセンターが新たな政治体制の中で脱退を余儀なくされ、加盟国が減少しました。この流れは世界労働組合連盟の組織力を削ぐ結果となりました。そのため、現状では日本において、加盟するナショナルセンターは存在しません。

かつては、国公労連や全建労、建交労、日高教（全て一橋）が2005年時点でこの組織の産業別インターナショナルに加盟していましたが、現在ではその状況は変わっています。全国労働組合総連合（全労連）も同様に加盟はしていないものの、大会などを通じてメッセージを送るなどの交流は行っています。

現在の取り組み

世界労働組合連盟は、加盟国の労働者の権利向上や生活条件の改善に向けた様々な活動を行っています。国際的な労働者の団結を促進し、全ての労働者が尊重される社会の実現を目指しています。さらに、経済的および社会的な不平等の是正に向けた取り組みも進めています。

結論

この組織はその理念や活動を通じて、労働者の連帯を強化し、より良い未来のために働きかけています。今後も、各国の労働者が直面する課題に対して、国際的な視点から解決策を模索し続けることが期待されています。

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