世界平和評議会

世界平和評議会について

世界平和評議会（World Peace Council）は、1949年に設立された国際的な非政府組織であり、主に冷戦時代の国際平和運動において重要な役割を果たしてきました。設立はポーランドのワルシャワにて行われ、当時の東側諸国の影響を受けつつ、日本共産党系の日本平和委員会も参加する形で発展してきました。

歴史的背景

この組織の根幹には、冷戦の緊迫した政治状況がありました。1949年4月、フランスのパリで初の平和擁護世界大会が開催され、72カ国の代表1784人が集まりました。しかし、フランス政府が東側諸国の代表の入国を拒否したため、チェコスロバキアのプラハでも同時に大会が開かれることになりました。これは、冷戦の初期における国際的な対立を象徴する出来事の一つです。

1950年には、ワルシャワで第2回平和擁護世界大会が行われ、81か国から2065人が参加しました。この大会では、アメリカや日本、西ドイツといった西側諸国の再軍備を激しく非難しつつも、東側諸国の軍備については触れられないという矛盾した立場が見受けられました。また、この大会で「世界平和評議会」の設立が決議され、核兵器禁止を求める「ストックホルム・アピール」が発表されました。このアピールは、その後、500万の署名を集める運動へと発展しました。

組織の進展

1951年、平和擁護世界大会委員会は改組され、正式に世界平和評議会として発足しました。初代議長にはフリードリック・ジョリオ＝キュリーが選出され、事務局はプラハに設置されました。続いて、1951年には東ベルリンで総会が開かれ、「ベルリン・アピール」が採択されました。ここでは、主要国による平和協定の締結が呼びかけられました。

1953年にはハンガリーのブダペストで開催された総会で「平和は話し合いで」というアピールが発表され、以後も定期的に様々なアピールや声明を発表してきました。1954年にはオーストリアのウィーンで、平野義太郎が放射能の実情を報告し、ビキニ事件についての声明が行われるなど、広範な活動を行っています。

1956年にはスウェーデンのストックホルムで軍縮と核兵器禁止の問題を討議する特別総会が開催され、1957年のスリランカ・コロンボでの総会では核実験の即時停止が求められるなど、活動の幅を広げてきました。

議長と組織の変遷

歴代の議長には、フリードリック・ジョリオ＝キュリーやジョン・デスモンド・バナール、Isabelle Blume、Romesh Chandra、Evangelos Maheras、Albertina Sisuluなどがいます。これらのリーダーたちは、国際的な平和運動の推進に力を注ぎ、新たな課題に取り組んできました。

最近では、1987年に日本で開催された軍縮委員会の会議も記憶に新しいところです。このように、世界平和評議会は、設立以来、平和と軍縮を促進するための重要な場として機能し続けています。公式サイトを通じて、最新の情報や活動内容にアクセスすることが可能です。

もう一度検索