世界樹の迷宮II 諸王の聖杯

『世界樹の迷宮II 諸王の聖杯』(せかいじゅのめいきゅうツーしょおうのせいはい、Etrian Odyssey II: Heroes of Lagaard)は、アトラスから2008年 2月21日に発売されたニンテンドーDS用ロールプレイングゲームです。人気を博した『世界樹の迷宮』の続編として、アメリカでは同年6月18日に発売されました。

2023年6月1日には、本作と『世界樹の迷宮』『世界樹の迷宮III 星海の来訪者』をHDリマスターした『世界樹の迷宮Ⅰ･II･III HD REMASTER』がNintendo Switch/Steam向けに発売。往年のファンはもちろん、新たな冒険者たちも手軽にシリーズを楽しめるようになりました。各作品単体のダウンロード版も同日に発売されています。

システム

前作のシステムをベースに、インターフェイスの改良、新職業の追加、各職業のバランス調整など、より遊びやすく、戦略性の高いゲームへと進化を遂げています。

基礎フレーム

プレイヤーは冒険者ギルドを結成し、冒険者を登録(最大30人)。最大5人のパーティーを編成し、ダンジョン探索に挑みます。ニンテンドーDSの下画面にダンジョンマップを書き込むシステムは健在で、ギミックを表現するアイコンの追加により、さらに使いやすくなりました。

前作では迷宮を地下へ潜る形式でしたが、今作では上階を目指して迷宮を登るという、新たな探索体験が味わえます。ダンジョン内では、酒場で様々なクエストを受注可能。クエストクリアによって報酬を得られるだけでなく、ハイ・ラガード公国の背景や、そこに住む人々の事情を知ることもできます。

戦闘システム

ターン制のバトルシステムを継承しつつ、前作の「BOOST」システムに代わり、「FORCE」システムが導入されました。戦闘を繰り返して「FORCE」ゲージを溜め、最大まで溜まると「フォーススキル」を発動できます。フォーススキルは各職業ごとに固有のものが用意されています。

敵の弱点属性(火・氷・雷・毒)に加え、新たに壊・突・斬の物理属性が追加。敵の物理的な弱点を考慮した戦略が求められるようになり、職業ごとの特徴がより際立つようになりました。敵の攻撃にも属性が適用されており、プレイヤー側は軽減アイテムを使用できますが、敵の技の属性を判別する手段はゲーム中に存在しません。

モンスター・F.O.E

「Field on Enemy」の略であるF.O.Eは、本作でも強敵として登場します。行動パターンが多様化し、追尾してくるタイプや、壁を突破してくる飛行タイプ、マップに表示されないステルスタイプなどが登場し、パズル要素が強化されました。

F.O.Eの戦闘能力も大幅に強化されており、適正レベルのパーティーでも全滅するほどの攻撃力を持っています。各F.O.Eに合わせた装備、アイテム、戦略が不可欠です。F.O.Eを撃破しても経験値は得られませんが、素材を入手できます。素材は強力な装備の解禁に必要なため、素材集めのためにF.O.Eに挑むことになります。

前作プレーヤーへの特典

前作のクリアパスワードをゲーム開始時に入力すると、ギルド名の引き継ぎや、アイテムの入手といった特典が得られます。ただし、一部イベントやクエストの難易度が上昇するなどのデメリットも存在します。

職業

前作から3つ職業が増え、12種類の職業から5人パーティを組んで迷宮を攻略します。冒険者ギルドには最大30人まで登録可能です。職業ごとに固有スキルがあり、特定の職業がいないと進めない道も存在します。

前作からの職業
ソードマン: 剣・斧を使いこなす前衛戦士。攻撃と防御を両立。
レンジャー: 弓と探索のスペシャリスト。探索スキルが強化。
パラディン: 盾で味方を守る防御特化職。攻撃力は低い。
ダークハンター: 鞭と剣で状態異常を狙うアタッカー。鞭による「縛り」が有効。
メディック: 回復特化職。蘇生スキルは唯一無二。
アルケミスト: 属性攻撃のスペシャリスト。物理属性スキルも習得可能。
バード: 歌で味方を鼓舞する攻撃補助職。歌の効果は調整。
ブシドー: 刀を振るう攻撃特化職。トップクラスの攻撃力を持つ。
カースメーカー: 呪言で敵を弱体化させる弱体特化職。

新職業
ガンナー: 銃で遠距離攻撃や属性攻撃を行う。スピードが遅い。
ドクトルマグス: 癒しと破壊の巫術を使う。剣と杖を使い分け、状態異常の敵に有効なスキルを持つ。
ペット: 冒険者を守る獣。クマ、パンダ、トラ、狼が存在し、高い攻撃力と特殊行動が特徴。ストーリー進行で解禁。

ストーリー

空飛ぶ城へ繋がるとされる伝説の神木「世界樹」。ハイ・ラガード公国では、世界樹の中に巨大な迷宮が発見され、大公は迷宮調査のためにお触れを出します。富と名誉を求め、多くの冒険者が迷宮に挑むも、誰も踏破できずにいました。プレイヤーは一人の冒険者となり、迷宮に足を踏み入れます。

登場人物

街の人たち

宿屋の店員: 大柄で面倒見の良い女主人。病弱な娘がいる。
宿屋の娘: 内気で病弱な少女。プレイヤーを慕っている。
治療士: 『超執刀カドゥケウス』の月森孝介に似た青年。
助手: 『超執刀カドゥケウス』の利根川アンジュに似た女性。木の病気を調査。
交易所の売り子: ひまわりを飾った少女。プレイヤーに献身的。
店の主人: 酒場の主人。口は悪いが面倒見が良い。
ギルド長: 冒険者ギルドの女性ギルド長。動物が苦手。
大臣: ハイ・ラガード公国の按察大臣。学問好き。
公女: ハイ・ラガード公国の公女。父を救うため聖杯を求める。

冒険者たち

フロースガル: ギルド「ベオウルフ」のリーダー。獣王に執着している。
アーテリンデ: ギルド「エスバット」の女性リーダー。迷宮探索を止めさせようとする。
ライシュッツ: ギルド「エスバット」の銃士。アーテリンデの守り役。

その他

クアナーン: 迷宮で出会う翼人。翼人のリーダー的存在。
上帝: 翼人から崇められる存在。不老不死の研究をしている。

ボス

キマイラ
炎の魔人
アーテリンデ
ライシュッツ
スキュレー
ハルピュイア
ジャガーノート
オーバーロード
ゴーレム
始原の幼子
ワイバーン
サラマンドラ
ヘカトンケイル
偉大なる赤竜
氷嵐の支配者
雷鳴と共に現る者

スタッフ

ディレクター: 小森成雄
キャラクターデザイン: 日向悠二
モンスターデザイン: 長澤真
サウンドコンポーズ: 古代祐三

脚注

関連項目: 世界樹、ダンジョン、セブンスドラゴン
外部リンク: 公式サイト

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