世界知識出版社

世界知識出版社

世界知識出版社は、中華人民共和国外交部の傘下にある出版社です。1934年に鄒韜奮（三聯書店出版社の創立者）や胡愈之らによって創立され、国際問題に関する出版において広範な影響力と高い権威を有しています。

概要

長年の発展を経て、世界知識出版社は多くの著名な学者や作家との協力関係を築き、アメリカ、日本、ドイツ、カナダ、イタリア、ポーランド、ロシア、インド、ブラジル、クウェート、韓国、北朝鮮、シンガポール、台湾、香港、マカオなど、世界各地の国や地域と出版権の貿易関係を結んでいます。

組織としては、学術編集部、市場編集部、国際問題書籍編集室、音声・ビデオ出版社、印刷工場などの部門があり、書籍の出版に加えて、『世界知識』、『世界博覧』、『世界知識画報』、『英語サロン』、『世界遺産』、『英語ダイジェスト』といった6種類の雑誌も発行しています。

従業員は約200名で、そのうち編集出版関係者が80%を占めています。編集者の多くは外国語に堪能であり、英語、フランス語、ロシア語、日本語、スペイン語、アラビア語などの原稿翻訳を専門とする編集者もいます。

出版物

世界知識出版社は、これまでに4000種近い書籍を出版しており、近年では毎年300種以上の書籍を出版しています。内容は、国際政治、外交、経済、文化、軍事、科学技術、人文社会科学、英語学習書など多岐にわたります。翻訳書、専門書、伝記、ドキュメンタリー文学なども手掛けており、中には国内の重要文献や一流学者の研究成果も多く含まれています。

代表的な出版物としては、『戦後大国外交史シリーズ』、『国際関係史』、『中華人民共和国外交史』、『中国外交』、『冷戦史』、『五千年に渡る中国対外文化交流史』などがあります。また、海外の著名な書籍の出版権を取得し、中国語に翻訳した書籍も数多く、例えば『第三帝国の盛衰』、『アメリカの対中政策公文集』、『国際関係権威論著シリーズ』、『国家大戦略シリーズ』、『国際政治経済学シリーズ』、『フェアバンク文集』、『ニクソン文集』、『キッシンジャー回想録』などがあります。これらの翻訳書は、若い世代の読者から高い評価を得ており、国内外で評判となっています。

学術的な書籍に力を入れる一方で、大衆読者のニーズにも応え、『地上最強の商人』、『海外風習シリーズ』、『古代文明への探検シリーズ』などのベストセラーも出版しています。近年では、新東方学校や英語サロン学校などの英会話学校と協力し、英語関連書籍の出版も盛んに行っています。英語書籍の重版率は70%を超え、書籍市場の重要な柱となっています。

人物伝記や回想録も豊富で、リチャード・ニクソン、ヘンリー・キッシンジャー、ジョージ・H・W・ブッシュ、ロナルド・レーガン、シャルル・ド・ゴール、ジャック・シラク、ヘルムート・コール、ヘルムート・シュミット、フランソワ・ミッテラン、サッダーム・フセイン、ムアンマル・アル＝カッザーフィー、シモン・ペレス、スロボダン・ミロシェヴィッチ、ハリー・S・トルーマン、ニキータ・フルシチョフ、ミハイル・ゴルバチョフ、ボリス・エリツィンなど、100名を超える国際的な要人の伝記が含まれています。

今後の展望

世界知識出版社は、今後もより多くの優れた書籍、雑誌、音声・ビデオ製品を読者に提供し、中国と世界との交流と相互理解を深めるために貢献していくことを目指しています。

近年の動向

2024年9月には、解任後に消息不明となっていた秦剛元外交部長が、世界知識出版社に配属されたという報道がありました。中国外交部の報道官は、この件に関して肯定も否定もしていません。

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