中華人民共和国外交部

中華人民共和国外交部の概要

中華人民共和国外交部は、中国における外交を一手に担う国家行政機関です。この機関は、中華人民共和国国務院の重要な構成部分であり、その活動は国際社会における中国の立場形成に直結しています。日本では一般的に「中国外務省」とも呼ばれています。

職務と機能

外交部の主な職務には、中国の外交政策の策定や国際問題に関する公式見解の発表が含まれます。また、国内外の外交官の派遣や、外国人記者へのアテンドも大きな役割の一つです。外交部は各国に多様な外交官を配置しており、さらには国内各地にも外事事務所を設立しています。

本部は北京市朝陽区の朝陽門南大街に位置し、過去には東交民巷に存在していました。中華民国（台湾）および大韓民国（韓国）にも「外交部」という名称の外交機関があります。

歴史と国交樹立

外交部の歴史は1949年10月2日に始まります。これは中華人民共和国が建国された翌日であり、この日、ソビエト連邦との間に初めての国交が樹立されました。この重要な歴史的出来事は、中国の外交政策の基礎を築くものでありました。

歴代外交部長の紹介

外交部は歴史的に数多くの著名な外交官によって運営されてきました。1949年から1958年までの間は周恩来が国務院総理と兼任し、その後は陳毅、姫鵬飛、そして喬冠華と続きます。1980年代には黄華、呉学謙などが外交部長を務め、1998年以降も名を馳せた外交官たちが後を引き継ぎました。現在の外交部長は王毅であり、彼は2023年までその地位にあります。

外交部の組織

外交部の主要な幹部には、部長の王毅をはじめ、党委書記の斉玉や副部長の馬朝旭（業務担当）や孫衛東、鄧励などが存在します。また、部長助理としては徐飛洪、華春瑩、農融がいます。彼らは外交部の日常業務や政策の実施に携わっています。

駐外公館

中華人民共和国外交部の駐日大使館は、東京都港区元麻布に位置しています。現在の大使は呉江浩で、彼は2023年2月からその任にあります。この大使館のもとには札幌、新潟、名古屋、大阪、福岡、長崎の各都市に総領事館も設置されています。

報道局

外交部内には報道局があり、定期的に外交政策や国際問題に関する情報を発信しています。通常、月曜日から金曜日まで週5日、定例記者会見が行われます。局長は華春瑩で、副局長には汪文斌、毛寧が務めています。

近年の事件

2021年6月28日、外交部の正門前で放火を図った男性が警備により連行されるという事件が発生しました。この出来事は中国のネット上で広まり、次の日の定例記者会見で副報道局長の汪文斌がこの事件の存在を認めました。

関連機関

外交部の他にも、中国共産党中央対外連絡部や国務院香港マカオ事務弁公室など、様々な関連機関が存在し、外交政策の実行に寄与しています。また、外交部は公式ウェブサイトを運営し、中国国内外に向けた重要な情報発信源となっています。

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