世界精神保健連盟

世界精神保健連盟（WFMH）

世界精神保健連盟（World Federation for Mental Health: WFMH）は、精神保健分野のさまざまな専門家やボランティア、元患者から成る国際的な非政府組織です。この団体は、1948年に国連（UN）や世界保健機構（WHO）と同時に設立され、現在では90か国以上から活動に参加しています。専門家、精神保健サービスの利用者、家族、ボランティアなどが集い、メンタルヘルスの向上を目指して活動しています。

目的

WFMHの主な目的は、精神障害や気分障害の予防、そしてそれらを持つ人々への適切な治療とケアを提供することです。また、メンタルヘルスを広く促進し、関心を高めることにも注力しています。具体的には、精神障害に対する理解の促進、予防策の普及、そして最良の治療法についてのアドボカシー（擁護）活動を通じて、メンタルヘルスに関する認識を向上させることがWFMHの使命です。

国際機関との関係

この組織は、国連や世界保健機構と密接に連携しており、精神保健に関する重要な助言を行う役割を担っています。WFMHの創設メンバーであり、初代WHO局長でもあるG.ブロックチザムは、精神健康問題の解決に向けた国際的なコンサルタント組織を設立するための活動を行っていました。これにより、WFMHは国際的な議論においても重要な役割を果たしています。

世界メンタルヘルスデーとの関係

1992年には、WFMHが「世界メンタルヘルスデー」を設け、毎年10月10日に、メンタルヘルスに関する認識を高めることを目的としています。この日は、ネガティブな偏見に対抗し、メンタルヘルスに関する意識を広げるための特別な日とされています。国際的に認知されるために、WHOもこの取り組みに参加し、正式に国際デーとして認定されました。

この日には、メンタルヘルス問題に対する正しい知識を広め、社会的スティグマを減少させるための様々な啓発活動が行われます。特に、グリーンのアウェアネス・リボンがメンタルヘルスの象徴として使用されており、これを身に着けることで地域社会への支援の意志を示すことがあります。2020年の世界メンタルヘルスデーでは、マレーシアの国王の長女であるイマン・アフザン・アル・スルタン・アブドラ王女が国際サポーターに選ばれるなど、注目を集めました。

WFMHは、メンタルヘルスの重要性を広め、障害を持つ人々が適切に支援を受けられるようにする活動を続けています。賛同者の増加と共に、世界中でのメンタルヘルスの重要性がより一層認識されることが求められています。

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