世良田政義

世良田政義（せらだ まさよし）は、室町時代に活動したとされる武将です。ただし、『尊卑分脈』をはじめとする同時代の史料にはその名前が見当たらず、実在の人物であったかどうかは歴史学的に検証が必要とされています。

伝承によれば、世良田政義は南朝方として新田氏の傘下で活動し、宗良親王の王子である尹良親王を擁して各地で戦ったとされています。特に、江戸時代に編纂された『浪合記』という書物には、彼の活動が詳細に記されています。

『浪合記』によると、応永4年（1397年）に世良田政義は桃井宗綱と連携し、尹良親王を上野国の寺尾中城に迎え入れたとされています。その後、応永31年（1424年）には、親王が信濃国の諏訪城に移ると、政義は各地で兵を挙げ、信濃各地で転戦したと伝えられています。しかし、三河国へ向かう途上、信濃国の浪合において戦死したとされ、この戦いは「浪合の合戦」と呼ばれています。

これらの記述は、後世に書かれた『浪合記』という資料に依拠しており、同時代の史料による裏付けがないため、歴史的事実として確定することは難しい状況です。そのため、世良田政義という人物の歴史的評価は、今後の研究を待つ必要があります。彼の生涯や戦歴については、不明な点が多く残されており、歴史の謎の一つとして語られています。

世良田政義は、南朝方の武将として、新田氏と行動を共にし、尹良親王を擁立して転戦したと伝えられていますが、その実態は謎に包まれています。今後の研究によって、彼の歴史における位置づけがより明確になることが期待されます。

なお、『浪合記』は江戸時代に成立した偽書であるという指摘もあり、その内容を鵜呑みにすることは危険です。そのため、世良田政義に関する記述も、あくまで伝承の一つとして捉える必要があります。

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