丘逢甲

丘逢甲（きゅう ほうこう）は、清朝末期の詩人であり、教育者として知られています。彼は、台湾で漢文教師の子として生まれました。本名を丘秉淵（きゅう へいげん）といい、別名を丘倉海（きゅう そうかい）、字を仙根（せんこん）、号を蟄仙（ちっせん）と称しました。

1889年、丘逢甲は北京で行われた科挙に合格し、進士の学位を得て工部主事に任じられました。しかし、官僚としてのキャリアに関心がなかった彼は、すぐに台湾に戻り、教育の道を選びました。台中にある衡文書院で教鞭を執り、その後、台南や嘉義でも新学を教えました。

1895年、日清戦争後の下関条約によって台湾が日本に割譲されることが決定すると、丘逢甲はこれに強く反対し、義勇軍を組織して日本軍に対抗しました。しかし、日本軍の圧倒的な軍事力の前に、義勇軍は敗退し、丘逢甲は広東へと逃れることとなりました。広東では、興民中学の初代校長や広東教育総会の会長を務め、中華民国建国後は広東省代表として孫文が組織した臨時政府に参加しました。その後、台湾に戻ることなく、1912年2月25日に亡くなりました。

丘逢甲の生きた証は、彼の死後も受け継がれています。2006年5月、彼の広東省蕉嶺県文福鎮逢甲村の住居跡が、国務院によって全国重点文物保護単位に指定されました。また、1961年には、丘逢甲の息子である丘念臺（きゅう ねんだい）と楊亮功（よう りょうこう）監督官を含む台湾中部司法官団が、中部地方に大学を建設することを決定しました。この大学は、丘逢甲を記念して逢甲工商学院（FCCI）と名付けられ、当初は丘逢甲の兄である丘先甲（きゅう せんこう）の住居と墓地があった台中市北屯区大坑の地に設立されました。この場所は現在、中臺科技大學（CTUST）となっています。その後、逢甲工商學院は現在の西屯区に移転し、1980年に逢甲大学となりました。

丘逢甲の墓地は、1917年に台中市北屯区に建立されました。彼の生涯は、詩人、教育者、そして愛国者としての多面的な側面を示しており、今日においても多くの人々に影響を与えています。

関連事項

* 逢甲 (フリゲート) - 中華民国海軍の軍艦。

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