中元雄

ナカモト ユウ（中元 雄）

概要

1991年9月14日生まれ、日本の映画監督。広島県福山市に生まれたナカモトユウは、幼い頃から映画、特にジャッキー・チェンやブルース・リーに代表されるアクション作品に深い関心を持っていました。この映画への情熱は、彼が後のキャリアで独自の作品世界を築く上での礎となります。

経歴

ナカモト氏の映画制作への道のりは、必ずしも一直線ではありませんでした。広島県立戸手高等学校在学中には、友人たちと共にアクションやホラー、ギャグ要素を取り入れた自主制作を行い、学内で上映するなど、既に創作活動の一端を見せていました。しかし、高校卒業時点では映画監督を明確に志していたわけではなく、穴吹ビジネス専門学校のCGデザイン学科に進学。卒業後は東京でウェブデザイナーとして社会人としてのキャリアをスタートさせます。ウェブデザイナーとして働きながらも、映画制作への情熱は冷めることなく、時間を見つけては作品を撮り、YouTubeで公開し続けていました。

転機が訪れたのは2016年。彼は東京俳優・映画&放送専門学校に入学し、本格的に映画制作の技術と知識を深める道を選びます。この専門学校での学びと並行して精力的に行われた自主制作活動が、後の飛躍の足がかりとなりました。

専門学校在学中および卒業後に製作された自主映画は、国内外の様々な映画祭で高い評価を獲得します。2017年には短編映画『FUNNY DRIVE』が第20回小津安二郎記念蓼科高原映画祭・短編映画コンクールに入賞。翌2018年には、『怪しい隣人』が第12回TOHOシネマズ学生映画祭ショートフィルム部門でグランプリに輝き、またアクション映画『DEAD COP』はカナザワ映画祭2018で「期待の新人監督」部門グランプリと、福岡インディペンデント映画祭2018でのアクション賞をダブル受賞しました。さらに、『一文字拳 序章 −最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い−』もカナザワ映画祭2018「期待の新人監督」部門でグランプリを獲得したほか、第40回ぴあフィルムフェスティバルに入選するなど、主要な映画祭での受賞や入選が相次ぎます。これらの作品、特に『いけにえマン』や『はらわたマン』といったユニークな自主映画は、2019年10月に池袋シネマ・ロサでの特集上映が実現するなど、自主映画界で大きな注目を集める存在となっていきました。

こうした自主映画での顕著な実績と活動が映画業界関係者の目に留まり、2019年には商業映画『スマホ拾っただけなのに』の監督オファーを受けることになります。これは、ウェブデザイナーから映画専門学校を経て自主制作で評価を得た彼のキャリアが、新たな段階に進んだことを意味しました。

主な監督作品

ナカモトユウ監督は、初の商業映画以降も精力的に作品を発表し続けています。彼の作品は、アクション、ホラー、コメディといったジャンルを横断しつつ、オリジナリティあふれる世界観を展開しています。主な監督・脚本作品には以下のようなものがあります。

『一文字拳 序章 −最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い−』（2018年）
『いけにえマン』（2018年）
『スマホ拾っただけなのに』（2019年）
『帰ってきた一文字拳』（2019年）
『はらわたマン』（2019年）
『地獄のテレワーク 電脳戦士ヤスダ対暗黒企業』（2020年）
『列島制覇 非道のうさぎ』（2021年）
『死霊軍団 怒りのDIY』（2021年）
『福山市長に1日密着してみた』（2022年）
『先生！口裂け女です！』（2023年）

これらの作品リストからは、エンターテインメント性の高い企画や、故郷・福山市に関連するドキュメンタリータッチの作品など、多岐にわたる興味と才能を垣間見ることができます。自主制作で培った独自のスタイルと情熱を武器に、今後の日本映画界でのさらなる活躍が期待される監督の一人です。

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