中出謙二

中出謙二：南海ホークスなどで活躍した捕手

中出謙二（なかで けんじ）氏は、1954年11月3日、和歌山県和歌山市生まれの元プロ野球選手です。捕手として活躍しました。和歌山工業高校時代は、1972年の夏の甲子園和歌山県予選で準々決勝に進出するも、桐蔭高校に敗れました。高校卒業後の1973年には新日本製鐵堺に入社。都市対抗野球には4年連続で出場を果たし、1977年には第3回インターコンチネンタルカップの日本代表にも選出されるなど、実力派捕手として頭角を現しました。

プロ野球界への道は、意外な形で開けました。ヤクルトの片岡宏雄スカウトが、当時新日鉄堺のグラウンドで中出氏を視察した際に、その実力に疑問を抱き、獲得を断念したのです。しかし、片岡スカウトは中出氏の後輩である尾花高夫投手に目をつけ、彼をスカウトすることになります。

1977年のドラフト会議で、南海ホークスから1位指名を受け、念願のプロ入りを果たしました。チームでは野村克也監督の後継者候補として期待が集まりました。しかし、1年目は2試合、2年目は5試合の先発出場にとどまり、黒田正宏氏らとの激しいポジション争いに敗れてしまいます。その後も、香川伸行氏や吉田博之氏らの台頭により、出場機会は減少の一途を辿りました。

1985年には、吉沢俊幸氏との交換トレードで阪急ブレーブスに移籍。移籍後も、捕手としての出場は限られていましたが、1986年には7月10日に6年ぶりの安打を放つなど、持ち前の粘り強さでプロ生活を続けました。藤田浩雅氏に次ぐ出場試合数を記録するなど、チームに貢献しました。しかし、1987年には一軍出場がなく、この年をもって現役を引退しました。

プロ野球生活を通して、中出氏は159試合に出場しました。そのうち、捕手としての出場は15試合に留まりました。しかし、彼のプロ野球選手としての経験は、後進の育成や野球界の発展に大きく貢献したことは間違いありません。

主な記録としては、1978年4月1日の対阪急ブレーブス戦で初出場、同月3日に初安打、4月19日に初打点を記録しました。そして、1979年8月19日には初本塁打を放ちました。南海ホークス時代は背番号10、阪急ブレーブス時代は背番号39を背負っていました。

中出氏のプロ野球人生は、華々しい活躍とは言い難いかもしれませんが、持ち前の粘り強さと野球への情熱を貫き通した、努力の人としての姿は、多くの野球ファンに記憶されています。彼の経験と努力は、後輩選手たちにとって貴重な財産となっていることでしょう。

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