中国人民解放軍陸軍

中国人民解放軍陸軍の概要

中国人民解放軍陸軍（PLA Ground Force）は中華人民共和国の主要な陸軍部隊であり、人民解放軍（PLA）の中でも特に中核的存在です。正式名称は「人民解放軍 陸軍」とされ、「人民陸軍」や「人民解放陸軍」との表記も見られます。2018年の時点でその兵力は約98万人であり、2007年の年鑑では約140万人というデータが公開されていました。この兵力は近代化の過程で段階的に削減されています。

兵役制度の特性

中国の兵役制度は、一応の選抜徴兵制を基にしていますが、実際のところは志願兵制度に近い形をとっています。そのため、兵力の不足が生じることはほとんどありません。また、除隊を希望する者には厳しい罰則があるため、実質的には兵役の履行が困難な状況が続いています。具体的には、退役後に多くの活動が2年間禁止されるほか、罰金や軍に対する返済義務も課されます。

組織形態と指揮体系

陸軍の軍令・軍政組織は長期間にわたり優位な体系を維持していますが、近年の改革によって、陸軍は地域別の統合組織である5個の戦区に改編されました。元々は七大軍区制だったものの、この変更によりより柔軟な運用が可能になりました。集団軍には合成旅団や支援旅団が含まれ、各集団軍は数個の合成旅団を基礎に構築されています。

合成旅団は、戦車や装輪式装甲車を主力とする重型、中型、軽型の3種類に分類されます。2020年初頭には全軍の機械化が基本的に完了したとされています。また、特殊作戦旅団においては、ロシアのスペツナズやアメリカのレンジャーをモデルにした編成が行われ、緊急の展開作戦やテロ対策に対応しています。

現在の指揮階梯

陸軍の指揮層は、戦区、集団軍、師、旅、団、営、連、排、班といった階層構造を持ちます。この体系は1948年から1949年にかけて整備され、現行の指揮体系に移行しています。戦区はそれぞれ方面軍に相当し、集団軍は軍団や軍に対応します。

陸軍指導機構の進展

陸軍の指導機構は、陸軍司令員、政治委員、副司令員などの主要なポジションから成り、2018年には13の集団軍を有するとされています。これにより、陸軍の指導体制がより一層整備され、統治機能の充実が図られています。

近代化と装備

中国人民解放軍陸軍は、近代化の一環として、多様な装備を整備しています。装甲戦闘車両、ミサイル発射機、無人機、固定翼機などの保有があり、特に陸軍の機械化が進められてきました。各種の小火器や対空火器も備えており、その規模は非常に大きいとされます。

今後も中国人民解放軍陸軍は、その役割を強化し続けるとともに、時代に応じた戦力の整備が期待されます。

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