中国商用飛機とは？意味をやさしく解説

中国商用飛機責任公司（COMAC：Commercial Aircraft Corporation of China, Ltd）は、中国の上海に拠点を置く、民間航空機製造会社です。中国語では「中国商用飞机责任公司」、略称は「中国商飛」とも呼ばれます。

設立と概要

COMACは、複数の航空会社の民間航空機生産部門を再編し、2008年 5月11日に設立されました。設立時の資本金は19億元（約27億米ドル）で、中国の中央政府、上海の地方政府、中国航空工業集団公司（AVIC IおよびAVIC II）などが主要株主として名を連ねています。

COMACの設立は、中国がボーイングやエアバスといった海外の航空機メーカーへの依存を減らし、自国の航空産業を発展させるという戦略的な目標を象徴するものでした。COMACは、150席以上の大型旅客機の設計と生産を専門としています。

国際的な連携と競争

COMACは、国際的な航空機市場での競争力を高めるため、様々な企業と連携しています。例えば、ボーイングが中国の浙江省に建設を進めている初の海外生産拠点は、COMACとボーイングの合弁会社が出資しています。

また、COMACはロシアの国有企業である統一航空機製造会社（UAC）と、COMAC C929の共同開発を進めるための合弁会社を設立しました。これは、UACがボーイングやエアバスに対抗し、中国への技術移転を進めることを目的としています。

かつては、カナダのボンバルディア・エアロスペースとの戦略提携も報じられ、民間航空機部門やCシリーズの買収交渉も行われていましたが、Cシリーズはその後エアバスに事実上買収されました。

主な製品

COMACが最初に販売したジェット機は、AVIC Iが開発したARJ21です。このARJ21は、リージョナルジェット機市場に参入しました。

そして、COMACの主力製品として開発されたのがC919です。C919は、当初2016年に引き渡し開始予定でしたが、大幅に遅延し、2023年にようやく引き渡しと商業運航が開始されました。

機種命名規則

COMACは、C919を始めとする民間旅客機のために、9X9という様式に従った命名システムを採用しています。

航空機の生産または開発

COMACは、ARJ21やC919の開発を通じて、航空機の設計、製造、試験、認証に関する多くの経験を積みました。これらの経験を活かし、今後も新たな航空機の開発を続けていくと考えられます。

株主構成

COMACの株主には、中国の中央政府や上海の地方政府に加え、AVIC I、AVIC IIといった中国の航空関連企業が名を連ねています。これにより、COMACは中国の航空産業における重要な企業としての位置を確立しています。

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