中国帰還者連絡会

中国帰還者連絡会とは

中国帰還者連絡会（中帰連）は、1957年9月24日に、中国の撫順戦犯管理所で抑留されていた旧日本軍の軍人たちによって設立された団体です。この団体は、戦争犯罪人として収容されていた軍人たちが日本に帰国した後の厳しい現実に対処するための支援や活動を行うことを目的としています。団体の初代会長は、元陸軍五九師団長の藤田茂中将でした。

背景と設立の経緯

戦争終結後、約1109名の日本軍戦犯が中国共産党によって撫順戦犯管理所や太原戦犯管理所に拘留されました。この過程では、戦犯容疑者たちは独自の認罪運動に直面し、長期間にわたり自身の行為を反省するよう求められました。1957年に帰国が許された後、帰還した元軍人たちは、日本社会で厳しい差別や偏見に直面しました。多くは失業や孤立を余儀なくされ、社会に復帰することは容易ではありませんでした。こうした状況を受け、中帰連は設立され、戦犯帰還者たちが共同で支え合う場となりました。

主な活動内容

中帰連は、731部隊や南京事件、強制連行などの歴史的事実について証言し、和平を訴えるための運動を展開しました。特に、彼らは抑留中に書いた手記をもとにした書籍を出版し、自らの経験を広める努力をしました。洗脳の影響を受けたとの批判があったものの、彼らは多くの証言を通じて、戦争の愚かさを伝えようとしました。

1957年11月には、手記を基にした『三光』を光文社から出版しましたが、この本は後に絶版となりました。翌年には題名を変更し、再度出版しました。その後も、彼らの証言は多くの人々の関心を引き、特に1989年にはNHKで放送された特集が彼らの存在を広く知らしめました。

組織の変遷と活動の継承

2002年には、中帰連は全国組織として解散し、その活動は「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」に引き継がれました。この団体もまた、元軍人たちの経験を伝える活動を続けています。特に、尽力してきたメンバーの高齢化が進む中でも、彼らの証言や記録は後世に引き継がれる重要な資産となっています。

会員と支部

中帰連には多くの会員が存在し、全国54ヶ所に支部を設けました。彼らは互いに連携し、情報の共有や支援を行いながら、平和を訴える活動を続けました。元軍人である飯森重任や石田傳郎、藤田茂など、当時のメンバーは日本社会における平和運動を推進する一助として活動しました。

結論

中国帰還者連絡会は、帰還した日本軍の戦犯たちが直面した困難を乗り越えるための結束を促し、歴史の教訓を伝える活動を行ってきました。その成果は、現在においても平和の重要性を再確認するための貴重な証言として取り扱われています。

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