中国横断新幹線

中国横断新幹線（伯備新幹線）

中国横断新幹線は、岡山県岡山市から島根県松江市までをつなぐ高速鉄道の基本計画路線です。この計画は1973年に提案され、以降40年以上にわたり実現には至っておらず、進展が見られない状況が続いています。一般には伯備新幹線とも呼ばれており、伯備線の特急「やくも」運行ルートに近いものとして位置づけられています。

効果と所要時間の試算

中国横断新幹線が実現すると、地域間の移動時間が大幅に短縮されると予測されています。例えば、米子から岡山へは33分、松江から岡山へは44分、出雲から岡山へは58分でのアクセスが可能となる見込みです。各駅に停車する場合でも、米子から新見までの所要時間は26分、新見から備中高梁までは10分、備中高梁から岡山までは12分、新見から岡山までは25分に短縮される計算です。

2031年の着工、2045年の完成を予定しており、2046年には山陰新幹線と一部併用開始する計画です。総整備費用は約1.11兆円から1.27兆円と推定されており、経済産業における効果も見込まれています。具体的には、鳥取県の域内総生産（GRP）が2.97兆円、島根県では5.81兆円の増加が予想され、鳥取県で8.5万人、島根県で17.8万人の人口増加が見込まれています。

駅の設置計画

計画に基づく駅の設置候補として、仮に以下の駅が想定されています（正式計画ではありません）：

• - 岡山駅
• - 備中高梁駅
• - 新見駅
• - 米子駅
• - 松江駅
• - 出雲市駅

うち、太字の駅は全列車が停車する予定です。

沿革と推進団体の活動

これまでの建設に向けた経過と推進団体の活動は以下の通りです。

• - 1973年11月：全国新幹線鉄道整備法に基づき、中国横断新幹線が基本計画路線に指定。
• - 1992年：鳥取県、島根県、岡山県の県議会議員により「伯備線ミニ新幹線促進協議会」が設立され、現在の「JR伯備線高速化・新幹線化促進三県議会議員協議会」となる。
• - 1993年：5県の知事による「中国横断新幹線整備促進協議会」を発足。
• - 1994年：各県で期成同盟会が発足。
• - 2018年：新幹線実現に向けた各種イベントや意見交換が活発化。
• - 2019年：推進会議が発足し、国への要望活動を展開。
• - 2020年：実現性調査と国会議員への要望が続けられています。

関連項目

• - 山陰新幹線
• - 全国新幹線鉄道整備法

このように、中国横断新幹線（伯備新幹線）構想は長期にわたる取り組みの結果として期待されている大規模な交通プロジェクトであり、地域の経済活性化に寄与することが目指されています。

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