中国気象局

中国気象局は、中華人民共和国国務院に直属する事業単位であり、中国全土の気象業務における行政管理と組織運営の中核を担っています。

歴史

中国気象局の起源は1949年に設立された中央軍事委員会気象局に遡ります。これは、当時の中華民国の中央気象局に代わるものとして設置されました。その後、1953年には政務院に移管され、中央気象局と改称されました。この時、各地の気象組織も軍から地方人民政府へと移管されました。

1970年には、総参謀部軍事気象局と中央気象局が合併し、一時的に総参謀部の管轄下に入りましたが、1973年には再び分離され、中央気象局として独立しました。この時期には、地方の気象部門は現地の革命委員会が指導する体制となりました。1982年、中央気象局は現在の名称である中国気象局に改称し、1994年には国務院直属の事業単位として再編されました。

組織

中国気象局は、香港、マカオ、台湾を除く中国全土に広がる組織網を構築しています。具体的には、31の省、自治区、直轄市に気象局が設置されており、さらに14の副省級市（計画単列市を含む）にも気象局が存在します。また、318の地級市と2300の県級市にも気象局（站）が設置されています。職員数は52,988人にのぼり、その中には中国科学院および中国工程院の院士6人、博士26人、高級技術職4,415人が含まれています。

下位組織

中国気象局の下には、以下の主要な組織があります。

国家気象センター（中央気象台）：気象予報の中枢を担います。
国家気象衛星センター：気象衛星データの受信と解析を行います。
国家気候センター：気候変動の研究と分析を行います。
国家気象情報センター：気象情報の収集と提供を行います。
中国気象局気象観測センター：気象観測ネットワークの管理を行います。
中国気象局公共気象サービスセンター：公共向けの気象情報サービスを提供します。
中国気象局トレーニングセンター：気象専門家の育成を行います。
中国気象報社：気象関連の出版物発行を行います。
気象出版社：気象に関する書籍や教材を出版します。
中国気象学会：気象学の研究と普及を推進します。
中国華雲技術開発公司：気象技術の開発と応用を行います。
北京華風気象影視信息集団公司：気象情報に関する映像コンテンツを制作します。

関係組織

中国気象局は、気象・気候に関する業務を専門としており、軍事気象、海洋気象（津波）、環境モニタリング、地震観測については、それぞれ別の組織が管轄しています。

軍事気象：中央軍事委員会聯合参謀部戦場環境保障局が担当します。
環境モニタリング：生態環境部（中国環境監測総站）が担当します。
海洋気象、津波：自然資源部（国家海洋局）の国家海洋環境予報中心（海嘯予警中心）が担当します。
地震観測：中国地震局（中国地震台網中心）が担当します。

歴代局長

中国気象局の歴代局長は以下の通りです。

涂長望 (1949年12月17日 - 1962年6月9日)
饒興 (1962年9月 - 1969年12月)
孟平 (1969年12月 - 1973年3月)
鄒競蒙 (1973年3月 - 1996年7月)
温克剛 (1996年7月 - 2000年12月)
秦大河 (2000年12月 - 2007年4月)
鄭国光 (2007年4月 - 2016年12月)
劉雅鳴 (2016年12月 - 2021年1月)
* 庄国泰 (2021年1月-)

中国気象局は、中国の気象業務を支える重要な機関として、今後もその役割を担い続けるでしょう。

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