中国航天科工集団

中国航天科工集団公司（CASIC）について

中国航天科工集団公司（CASIC）は、宇宙開発における中国の代表的な生産団体であり、国有企業として様々な傘下組織を持っています。CASICは、宇宙機や打ち上げロケット、戦術及び戦略ミサイル、さらにはこれらに付随する地上設備の設計・開発・製造を行っており、その技術力と規模は国際的にも存在感を放っています。

企業の歴史

CASICは1956年10月、国防部の第五研究院として設立されました。その後、第7機械工業部、航天工業部、航空航天工業部、中国航天工業総公司といった名称変更を経て、1999年に中国航天機電集団公司となり、2001年には現在の名称に改称されました。

組織と雇用

この企業は、5つの研究所、2つの科学研究生産拠点、そして6つの上場企業を持ち、全国に570以上の関連組織を展開しています。従業員数は13万人以上とされ、その規模は中国国内外でのさまざまなプロジェクトを展開する上での基盤となっています。

技術力と製品

CASICは、国内最大のミサイル兵器システム開発製造企業として知られており、防空ミサイル、巡航ミサイル、固体推進ロケット、宇宙技術製品に加え、陸海空を問わない様々な電磁スペクトルの領域に対応した技術の開発・製造を手掛けています。また、数十種類の改良型ミサイル装備システムを海外の国々に提供しており、中国の宇宙プログラムにおいても、有人宇宙飛行、月探査などの重要な国際プロジェクトに貢献しています。

2012年時点におけるCASICの総資産は1596億元（中国元）であり、売上は1340億元を上回り、89.2億元の利益を計上しています。

航空宇宙産業以外の事業

CASICは航空宇宙産業以外にも事業を展開しています。傘下の中国航天汽車は三菱自動車との合弁で設立された航天三菱を通じて自動車用エンジンを生産し、そのエンジンは多くの中国の自動車メーカーに供給されています。このような多角的な事業展開は、企業の安定した成長を後押ししています。

最新の進展

近年では、2013年および2014年に快舟ロケットの打ち上げを行い、2014年には中国国際航空宇宙博覧会で民間用打ち上げ機「飛天一号」の発表がなされるなど、小型ロケット市場への進出も視野に入れた展開が目立ちます。これはCASICが民間の宇宙産業にも関与し、技術革新を追求していることを示しています。

関連機関

CASICに関連する機関としては、中国国家航天局、中国航空工業集団公司、中国人民解放軍空軍、国防科学技術工業委員会、中国北方工業公司などが挙げられます。また、中国河西化工機械公司（宇宙開発における固体燃料ロケットエンジンの開発担当）も重要な位置を占めています。

もう一度検索