中国国家航天局

中国国家航天局 (CNSA)

概要

中国国家航天局（CNSA）は、人民共和国内の民間宇宙開発を統括する国家行政機関です。北京に本部を置き、4つのロケット発射場を管理しています。この機関は工業情報化部の傘下にあり、宇宙開発活動の全般を担っていますが、軍事利用に関しては人民解放軍の管理下にあります。

歴史

国家航天局が設立される以前は、中国の宇宙開発は中国航空航天工業部（MOS）によって運営されていました。しかし、1992年以降、改革開放政策が進展する中で、政府はより効果的な宇宙開発の運営を目指し、1993年6月に国家航天局と中国航天科技集団公司（CASC）を設立しました。
この2つの機関はそれぞれ、国家機関として政策を担当し、国営企業として業務の実行を担当する役割を持ちました。活動内容や運営方式には違いがあったものの、実際には多くの人材や指導部が共有されているため、機能的には一体として運営されていました。

1998年には大規模な構造改革が行われ、航空宇宙産業は国家所有の多くの企業に分割されました。これにより、オーダーに基づく運営となり、西洋の防衛産業に類似した構造を確立することを目指しております。

発射場

中国国家航天局は以下の4つの主要なロケット発射場を管理しています：

1. 酒泉衛星発射センター
軍事衛星や宇宙探査機の打上げが行われる重要な施設です。

2. 西昌衛星発射センター
商業打上げも含めた多様な宇宙ミッションを行っています。

3. 太原衛星発射センター
多くのロケット打上げが行われ、特に国産衛星の発射が多いです。

4. 文昌衛星発射センター
南部の海岸に位置し、主に大型の打上げに使われます。

これらの発射場の管理は人民解放軍の総装備部が行うとともに、その指揮の下で任務に従事する将兵が配置されています。

管制センター

宇宙ミッションの運営には、複数の管制センターが存在しており、以下の3つが主要な役割を担っています：

• - 北京航天飛行制御センター

宇宙探査や国際ミッションの管制を担当。

• - 西安衛星追跡管制センター

打上げに続く軌道追尾や航行支援を行います。

• - 衛星海上測量控制部

海上での測量作業に特化した管制機能を有しています。

これらの管制センターもまた、人民解放軍総装備部が運営し、任務は軍の専任隊員によって行われています。

主な宇宙プログラム

中国国家航天局は、いくつかの重要な宇宙プログラムを推進しています。その中には次のようなプロジェクトが含まれます：

• - 嫦娥計画（CLEP）

月面探査を目的とした一連のミッション。

• - 天問1号

火星探査を行うためのプログラムです。

• - 神舟計画

有人宇宙飛行を目的とする宇宙船の開発と打上げ。

• - 天宮計画

宇宙ステーションの建設を目指したプログラム。

これらのプログラムにより、中国は独自の宇宙技術を大きく向上させており、国際的な宇宙活動においても重要な地位を占めるようになりました。

まとめ

中国国家航天局は、近年の宇宙開発競争において、規模と技術力を駆使して着実に成長しており、その動向は今後の宇宙研究においても注視されるべきです。

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