中国西南航空

中国西南航空：民営化の先駆けから統合へ

中国西南航空は、1987年から2002年まで中国で運航されていた航空会社です。中国の航空業界における民営化の波に乗り、その先駆けとして誕生しました。しかし、その歴史は短く、最終的には中国国際航空に統合されることとなりました。

概要

1980年代後半、中国政府は航空業界の民営化政策を推進しました。その中で、中国西南航空は、中国民用航空総局（CAAC）の成都管理局を引き継ぎ、民営化航空会社の第一号として設立されました。この動きは、中国の航空業界における大きな転換点となりました。

しかし、2003年、中国政府による旧民航系の航空会社集約政策により、中国西南航空は中国航空総公司とともに中国国際航空に併合され、中国国際航空西南分公司となりました。この統合により、中国西南航空の歴史は幕を閉じることとなりました。

英語名称から「中国南西航空」と呼ばれることもありますが、正式には「中国西南航空」です。

興味深いことに、かつて同社が発行していた機内誌「西南航空」は、現在でも中国国際航空の西南、重慶、貴州、チベットの各分公司発行の機内誌の題名として、当時のロゴマークとともに残されています。これは、中国西南航空が残した一つの遺産と言えるでしょう。

コードデータ

IATA航空会社コード：SZ
ICAO航空会社コード：CXN
コールサイン：CHINA SOUTHWEST

これらのコードは、現在では使用されていません。

沿革

中国西南航空の歴史を年表形式で見ていきましょう。

1987年10月15日: 成都双流国際空港をメインハブ空港として、中国西南航空が誕生しました。
1988年1月18日: 北京発重慶行きのSZ4146便（イリューシンIl-18D）が重慶近郊に墜落し、乗員乗客108名全員が死亡しました。この事故は「中国西南航空4146便墜落事故」として記録されています。この事故では、日本人乗客3名が犠牲となりました。
1992年秋: 日中航空協定により、名古屋への乗り入れが認可されました。これにより、日本と中国の間の航空便が拡大することとなりました。
1998年3月: 日本線初の定期便である重慶-名古屋線が就航しました。これにより、日本と中国西南地方の間の交流が促進されました。
1999年2月24日: 成都発温州行きのSZ4509便（ツポレフTu-154M）が、着陸進入中に浙江省温州市瑞安県級市に墜落し、乗員乗客計61名全員が死亡しました。この事故は「中国西南航空4509便墜落事故」として知られています。
2002年2月5日: 中国国際航空への合併が発表されました。これにより、中国西南航空の歴史は終焉に向かうこととなりました。
2002年4月21日: 重慶-名古屋線を増便（週3便）しました。これは、最後の活発な活動の一つでした。
2002年4月26日: 成都-東京（成田）線（週4便）、重慶-東京（成田）線（週3便）が就航しました。これにより、日本との路線が拡大しました。
2002年7月18日: 成都-大阪（関西）線（週2便）が就航しました。これにより、日本への路線網が拡充されました。
2002年10月28日: 中国国際航空に併合され、中国国際航空西南公司となりました。これにより、中国西南航空は完全にその姿を消しました。

就航路線

中国西南航空は、以下の路線を運航していました。

中国国内 - 156路線
特別行政区 - 1都市1路線
国際線 - 4都市4路線

国際線には、日本への路線が含まれていました。

関連項目

中国国際航空
成都双流国際空港
重慶江北国際空港

外部リンク

中国国際航空西南分公司（中国語版）

中国西南航空は、短期間ながらも中国の航空業界に大きな足跡を残しました。その歴史は、中国の航空業界の発展と変革を物語る貴重な一部と言えるでしょう。

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