株式会社中国銀行
株式
会社中国銀行は、
岡山県岡山市北区に
本店を置く
地方銀行です。
岡山県の
指定金融機関を務めており、
岡山県内において企業からの圧倒的な支持を得ています。帝国データバンクが
2020年に行った調査では、県内企業の約半数が同行をメインバンクとしていることが示されており、地域経済への影響力の大きさが伺えます。
また、隣接する
広島県(特に備後地方)や
香川県の全域にも広く店舗網を築いており、これらの地域においても重要な金融機関として活動しています。略称は「中銀(ちゅうぎん)」。
沿革と成長
中国銀行の歴史は、
明治時代に遡ります。その最古の前身とされるのは、現在の
高梁市で設立された第八十六国立銀行です。一方、当時の県都・
岡山市では第二十二国立銀行が地域経済を牽引していましたが、
日清戦争後の
恐慌で経営が悪化し、安田銀行(現
みずほ銀行)に統合されて
地方銀行としての姿を消しました。このような歴史の中、中国銀行は
岡山県及び周辺地域に存在した数多くの小規模な銀行が合併や買収を重ねて成長した結果、誕生しました。
特に、
1930年12月21日には、第一合同銀行と山陽銀行が合併し、現在の「株式
会社中國銀行」として設立されました。この合併以降、同行は
岡山県における最大の銀行として揺るぎない地位を確立しています。
2022年10月3日には、金融持株
会社である「ちゅうぎんフィナンシャルグループ」を設立し、その完全子
会社となる形で事業持株
会社体制へと移行しました。
店舗ネットワーク
本店のある
岡山県を中心に、
広島県、
香川県、
兵庫県にも複数の店舗を構えています。これに加え、
愛媛県四国中央市や
鳥取県米子市にも支店を展開。大都市圏としては、
東京都中央区と
大阪市中央区にそれぞれ支店を置いています。海外拠点としては、
香港に支店、上海、
シンガポール、
バンコクには駐在員事務所があります。かつて
ニューヨークの世界貿易センタービルに支店がありましたが、アメリカ同時多発テロによるビル倒壊後、駐在員事務所に格下げされました。
歴史的な建造物としては、
倉敷美観地区にある旧中国銀行倉敷本町出張所(旧第一合同銀行倉敷支店)が挙げられます。
1922年竣工のルネサンス風建築で、
倉敷市の
重要文化財に指定されています。
備後地方は同行にとって準地盤と位置づけられており、製造業中心の中堅・中小企業が多いことから、
福山市を中心に多くの店舗が配置され、他の金融機関との激しい競争が展開されています。
福山市役所周辺の主要
交差点には、中国銀行と
広島銀行の大型店舗が向かい合って立地するなど、その競争環境は象徴的です。
東京都、
大阪市、神戸市などの大都市圏の支店看板には、
中華人民共和国のバンクオブチャイナとの混同を避けるため、「
本店 岡山市」という文字が併記されています。上海の駐在員事務所ではさらに明確に「日本CHUGOKU銀行」と表記することで、日本の銀行であることを示しています。
独自の取り組み
2021年11月には、現役の
弁護士が支店長(茶屋町支店長兼藤戸支店長)を務めた事例があり、これは日本の銀行業界でも非常に珍しいケースとして注目されました。
個人向けの営業戦略として、歴代の
頭取が自らテレビCMやラジオCMに出演し、商品やサービスの広告塔となるプロモーションを行ってきました。また、若手映像クリエイターを起用したイメージ映像の制作など、様々な手法で顧客へのアプローチを行っています。
ATMネットワークと提携
地元
岡山県では、県内の主要な
信用金庫や信用組合、
トマト銀行と連携し、「おかやまATMネットサービス」を提供しています。これにより、提携金融機関のATM間で、時間内の現金の出金手数料が無料となります。また、
広島銀行ともATM手数料無料提携(時間内無料)を結んでおり、利用者の利便性向上に努めています。
さらに、
セブン銀行、ローソンATM、
イーネット、
イオン銀行といったコンビニATMや提携金融機関のATMネットワークとも広く接続しており、多様な場所での現金引き出しや残高照会が可能です。
社会との関わり
身体に障がいのある顧客への配慮として、ATM操作が困難な場合は、窓口での対応であってもATM利用時と同等の手数料体系を適用しています。また、視覚障がい者向けの音声案内機能付きATMも設置するなど、バリアフリー対応を進めています。
地域社会への貢献活動も積極的に行っており、
バレーボールV.LEAGUE DIVISION1の
岡山シーガルズのメイン
スポンサーを務めるなど、地元のスポーツチームを支援しています。
なお、
東京都中央区にあった集合住宅「
中銀カプセルタワービル」(デベロッパーは中銀グループ)や、
山梨県のサッカー場「山梨中銀スタジアム」(山梨中央銀行が
命名権を取得)は、名称に「中銀」を含みますが、株式
会社中国銀行とは直接的な関係はありません。