中国駅伝

中国駅伝競走大会の概要

中国駅伝競走大会は、かつて広島県において実施されていた伝統的な長距離駅伝で、1931年に初めて開催されました。日本における駅伝の歴史の中で、箱根駅伝に次ぐ古いものであり、「朝日駅伝」や「全日本実業団駅伝」と共に日本の三大駅伝の一つとして位置づけられています。大会は、1996年以降に始まった「天皇盃全国男子駅伝」の前身ともされています。

開催の歴史

第1回中国駅伝は1931年の2月11日にスタートしました。戦前は紀元節に固定し、一般青年と学生の2部門で競われましたが、1944年以降は戦争の影響により一時中断を余儀なくされました。この際は福山護国神社がスタート地点、広島護国神社がゴール地点となりましたが、参加したのは一般の選手のみで、学生チームは戦争に出征してしまったため、本大会から姿を消しました。

戦後は混乱の中で2年間、広島呉間往復駅伝という形式で行われていましたが、1948年に迎えた第15回大会で中国駅伝が復活しました。この大会以降は、毎年1月の最終日曜日または2月の第1日曜日に開催されることが定例となりました。

しかし、1995年に開催された62回大会を境に、中国駅伝は「天皇盃全国男子駅伝」に変わる形で歴史の幕を閉じることとなりました。

コースの特徴

大会の終期には、全体で8区間、距離は107.5kmという長距離を競う形式でした。スタート地点は福山市の中国新聞福山文化会館前、ゴールは広島市の広島平和記念公園前でした。コースは主に山陽国道（国道2号線）が使用されており、道路整備の影響で大規模な変更が行われたものの、アップダウンの激しい地形が選手たちに高い難易度をもたらしていました。特に三原から西条にかけての登り坂と、八本松から瀬野までの急な下り坂が人気を博しました。

テレビ中継の歴史

1980年代後半からは、中国放送（RCCテレビ）が駅伝の模様を午前と午後の二部構成で中継しており、「サンデーモーニング」といった人気番組の一部は影響を受け、放送が変更されることもありました。大会終了後の1999年まで中国山口駅伝においてもテレビでの中継が行われましたが、その後は2019年までラジオに限定された形での放送に移行しました。

まとめ

中国駅伝は、昭和期を通じて広島県のスポーツ文化の一角を担い、地域の人々に愛された大会でした。時代の変化と共に其の役割は変わりましたが、長距離競技の伝統としての意義は今なお語り継がれています。

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