中城城

中城城の概要

中城城（なかぐすくじょう）は沖縄県中頭郡北中城村と中城村に存在する日本の城であり、15世紀の琉球王国の時代に重要な役割を果たしました。護佐丸のグスクとして知られ、ユネスコの世界遺産にも登録されています。中城城は当時、貿易港であった屋宜港から南へ約2キロメートルの位置にあり、標高約160メートルの丘陵上に築かれています。この城は、丘陵の自然の地形を利用することで防御に優れた造りとなっています。そこでの遺構は非常によく保存されており、そこからは東シナ海や中[[城湾]]、それに周囲の島々を一望することができ、景観も素晴らしいです。

歴史と沿革

中城城の創建時期ははっきりとしませんが、14世紀後半には先中城按司が数世代にわたり、主要な郭を築きました。1440年には護佐丸盛春が座喜味城から移ってきて、三の郭や北の郭が増築され、現在の形が出来上がりました。増築に際して、城壁は高度な技術である「相方積み」と呼ばれる手法で構築され、アーチ式門を持つことからも技術の進歩がうかがえます。

1458年には、護佐丸が阿麻和利の策略により滅び、その後も中城は様々な役割を持ち続けました。1609年以降は薩摩藩の支配下に置かれ、中国からの使節団が薩摩の役人に隠れる場所として使用したという伝承も残っています。また、1853年にはアメリカ海軍のマシュー・ペリー提督が訪れ、城の技術に驚嘆し詳細な報告を行っています。

第二次世界大戦中の沖縄戦の影響で多くの文化財が失われる中、中城城は比較的被害が少なく、石垣が良好に残っていました。戦後補修が行われ、1955年には重要文化財として指定され、1972年には国の史跡に認定されています。2000年には琉球王国のグスク関連遺産群としてユネスコ世界遺産にも登録され、2006年には日本100名城の一つにも選定されました。

構造

中城城は連郭式の山城で、六つの郭から成り立っています。城壁は琉球石灰岩の切石で構築され、その技術は高く評価されています。一の郭は城内で最も広く、正殿や観月台がありましたが、沖縄戦で消失しました。西の郭は訓練場として使用され、南の郭には複数の拝所が存在します。北の郭は護佐丸が井戸を取り入れて増築したとされています。

また、城内にはカンジャーガマという鍛冶屋跡が残っており、水源を確保するための井戸も特徴的です。護佐丸の墓は城郭の東約200メートルの位置にあります。近年では、遺物の発掘も進んでおり、14世紀から15世紀の中国製青磁器や銃器の弾丸が見つかっています。

現地情報とアクセス

中城城は中城公園内に位置し、観覧時間は8:30から17:30（夏季は18:30まで）です。入場料は大人400円、中学生300円、小学生200円など、数種の料金体制があります。周辺は中城公園として整備され、観光客が訪れる名所となっています。

アクセスは、那覇バスターミナルから複数の路線バスが運行しており、中城小学校や安谷屋を経由してアクセスできます。また、敷地内は禁煙であり、観光名所として整備が進められています。

中城城はその歴史的背景や独自の建築技術、自然の美しさを楽しむことができ、沖縄の文化を深く知る良い機会を提供しています。

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