中城高原ホテル

中城高原ホテル：廃墟と化した幻のホテル

中城高原ホテルは、沖縄県中頭郡中城村の中城城跡公園内に位置していました。1970年代に建設が開始されたものの、完成することなく放棄され、2019年に解体されるまで40年以上にわたり廃墟としてその姿を晒していました。

建設の経緯

事の発端は、1955年（昭和30年）に中城城跡が国の重要文化財指定を受けたことに始まります。観光客誘致を目的とした中城公園組合がホテル建設を計画しましたが、当初の建設予定地は城の本丸でした。これは文化財指定の取り消しにつながる可能性があり、組合と文化財保護委員会との間で激しい対立を引き起こしました。

組合側は文化財指定解除も辞さない構えを見せましたが、最終的には建設地を城壁外の高台に変更することで合意。1975年（昭和50年）の沖縄海洋博開催を機に、実業家・高良一氏によって1970年代前半に建設が開始されました。

廃墟化の理由

しかし、海洋博開催直前に建設会社が倒産。さらに、沖縄本土復帰に伴いアクセス道路が文化財保護区域に指定されたため、工事は中断され、そのまま放置されることになりました。一部報道では数ヶ月間営業していたとも伝えられていますが、いずれにせよ40年以上にわたり廃墟として存在し、老朽化のため立ち入り禁止となっていました。

廃墟としての利用

1996年（平成8年）には、中島みゆきさんのシングル『たかが愛』のプロモーションビデオのロケ地として使用されたこともあります。その独特な雰囲気が映像作品に活かされました。

解体とその後

1997年（平成9年）に沖縄県がホテル跡地を含む一帯を県営中城公園として整備を開始しましたが、長年にわたり県とホテル所有者との間で補償交渉が難航しました。2018年（平成30年）にようやく合意に至り、2019年（令和元年）5月から解体作業が開始され、2020年3月までに完了しました。

解体費用は約2億円。解体後は県営中城公園の一角として整備される予定です。解体直前には、沖縄タイムスがホテルの外観や内部の写真、当時のパンフレットなどを公開し、その姿を記録として残しました。

幻のホテル

中城高原ホテルには、当時としては珍しいウォータースライダー付き遊泳プールや土産物店、レストランも設けられる予定でした。しかし、その計画は実現することなく、幻のホテルとして歴史に名を刻むこととなりました。

関連情報

• - 中城城

外部リンク

• - 沖縄アーカイブ研究所【FILMS】中城城跡と高原ホテル
• - 沖縄発 役に立たない写真集 - 中城高原ホテル跡
• - ウィキメディア・コモンズ

[URL1]:(https://example.com/okinawa-archive)
[URL2]:(https://example.com/ruins-photo)
[URL3]:(https://commons.wikimedia.org/wiki/Category:Nakagusuku_Plateau_Hotel)

もう一度検索