中央政策組

中央政策組（Central Policy Unit, CPU）

中央政策組は香港の行政長官の直属機関であり、シンクタンクとして多岐にわたる政策の研究と戦略的議論を行っています。1989年に香港返還前に設立され、もともとは香港総督のもとで機能していました。返還後もその組織構造や役割をほぼ維持しながら活動しています。

組織概要

組織のトップである首席顧問は現在、香港中文大学の教授である劉兆佳氏が務めており、2002年7月にその職に就きました。中央政策組の具体的な役割は、短期的な政策課題を主に検討する決策局とは異なり、長期的な発展戦略や政治改革に関する広範な議論をリードすることです。

このため、首席顧問を含む顧問や研究員などの幹部は、通常の公務員に加えて、外部から大学教授や専門家が選出されることが多いです。また、中央政策組には非常勤の顧問として約40名の有識者も任命されており、そのうちの大半は大学や財界から選ばれています。このように多様な専門家が集まることで、より深い議論と洞察を生むことを目指しています。

さらに、中央政策組は、行政長官や長官以外の各界を代表する67名によって構成される策略発展委員会とも連携しており、政策形成における重要な役割を果たしています。

業務内容

中央政策組の主な業務には、香港の公共政策に関する広範な研究や世論調査が含まれます。これに加えて、政策形成における討議のためのフォーラムや委員会を組織し、各界の見解や意見を集めることも行っています。また、行政長官が立法会で示す施政報告の草案作成も手がけており、決策局と連携してその作業を進めています。

近年では、香港政府に対する経済的な期待が高まる中、香港基本法が求める財政均衡の実現が難しいという課題も浮かび上がっています。これに伴い、低コストで効果的な政策を推進する必要が求められ、特に中国本土との経済関係を強化することが政府の方針として打ち出されています。このような状況の中、中央政策組は、広東省との協力に関するハイレベル会議を主導し、さらに2006年には「第11次五カ年計画と香港の発展に関する経済サミット」を主催するなど、その役割をさらに積極的に展開しています。

中央政策組は、香港の未来に対する重要なビジョンを形成する要として、今後も活動を続けることでしょう。

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