中央教化団体連合会

中央教化団体連合会とは

中央教化団体連合会（ちゅうおうきょうかだんたいれんごうかい）は、戦前の日本において、全国の教化事業を統括した中央機関です。1923年に内務省の主導で設立された教化団体連合会を前身とし、1928年に財団法人として文部省の認可を受けました。この連合会は、全国の道府県、朝鮮、台湾、樺太、関東州、南洋における教化事業関連団体を組織し、その連携、調査研究、奨励助成、振興策などを推進することを目的としていました。

設立の背景と目的

1923年11月10日に国民精神作興に関する詔書が発布されたことを受け、内務省社会局は都内の教化団体代表者を集め、詔書の精神を徹底する方策を協議しました。その結果、各教化団体が連合し、協力して詔書に応えるべきという結論に至り、1924年1月に教化団体連合会が組織されました。初代会長には一木喜徳郎が就任しました。

連合会の目的は、教化事業の連絡提携、調査研究、奨励助成、振興施策など多岐にわたりました。具体的には、教化機関の連絡・統制・指導、教化指導者の育成、都市や町村における教化活動の推進、教化資料の作成、加盟団体への助成、功労者の選奨、教化事業の研究調査などを行いました。

組織の変遷

1927年3月には加盟団体数が73団体に達し、地方でも府県単位で教化連合団体が組織される動きが見られました。これを受け、1928年4月には組織を根本的に変更し、府県連合会のみを加盟対象とする中央教化団体連合会会則を制定しました。これにより、個々の教化団体は府県連合会に加盟する形となりました。

教化団体に関する事務は、当初は内務省と文部省の両省が所掌していましたが、1928年10月に文部省所管に統一されました。同年11月には財団法人設立を主務省（文部省）に申請し、12月24日に認可されました。1929年7月には文部省に社会教育局が設置され、教化団体に関する事務は同局が管轄することになりました。

活動の展開

1929年9月から文部省は教化総動員運動を開始し、教化活動をさらに推進しました。各道府県の教化連合団体は同年10月までに全て設立され、中央教化団体連合会に加盟しました。1930年には、朝鮮、台湾、樺太、関東州、南洋における教化連合機関も構成団体に加えることとし、朝鮮社会事業協会が加盟しました。また、会報を廃止し、1930年8月からは月刊新聞『教化運動』を発行しました。

1931年6月には山川会長が死去し、同年8月に斎藤実が新会長に就任しました。斎藤会長は後に内閣総理大臣となりましたが、1936年に二・二六事件で殺害され、同年9月に清浦奎吾が新会長に就任しました。

大日本教化報国会への移行

1943年12月10日、日本政府は戦時体制下における国民思想確立のための基本方針を決定し、教化団体においても国体護持精神の徹底と国民風尚の明朗化が求められました。これに対応するため、1945年1月25日に大日本教化報国会が結成されました。中央教化団体連合会は解散し、その組織と活動は大日本教化報国会に引き継がれました。大日本教化報国会は文部大臣を会長とし、政府と一体となった組織でしたが、太平洋戦争末期の混乱の中で、その統一的な活動は実現しませんでした。

事務所の所在地

事務所は、1924年の発足当初は東京市麹町区元衛町の内務省社会局内に置かれていました。1929年頃からは麹町区大手町1丁目7番地2に移転し、内務省社会局分室内と付記されていました。1937年7月には内務省社会局分室の表記がなくなり、同年10月には渋谷区穏田1丁目121に移転しました。

まとめ

中央教化団体連合会は、戦前の日本における社会教育の中核を担った組織であり、その活動は多岐にわたりました。しかし、太平洋戦争の激化とともにその役割を終え、大日本教化報国会へと引き継がれることとなりました。

参考資料

『全国教化団体名鑑』財団法人中央教化団体連合会、1929年
『財団法人中央教化団体連合会要覧―昭和十三年―』財団法人中央教化団体連合会、1938年

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