麹町区

麹町区概説

麹町区（こうじまちく）は、1878年に設立され1947年に解散するまで、東京都の中部に存在していた行政区です。この区域には国会議事堂や内閣総理大臣官邸など、日本の首都機能が集まっており、歴史的にも重要な場所です。麹町という名称は、区内に存在した地域名に由来し、現在は千代田区の一部となっています。

地理的特徴

麹町区は旧東京市の中心部に位置し、北側には神田川、北東には日本橋川が流れています。また、中央本線や東海道本線、東北本線がそれぞれ走り、都電も区内を通っていました。この地域には、皇居（旧江戸城跡）や丸ノ内、大手町、有楽町などが含まれ、日本の政治の中心とも言える場所でした。1947年には、麹町区が神田区と合併し千代田区になりました。

隣接自治体

麹町区は次の自治体と隣接していました：小石川区、神田区、日本橋区、京橋区、芝区、赤坂区、四谷区、牛込区。これらの区は現在の千代田区や他の周辺地域と連携し、歴史的にも密接な関係を持っていました。

歴史的な沿革

麹町区の成立は、1878年11月2日にさかのぼります。この日、郡区町村編制法が施行され、正式に区として設立されました。区役所は隼町に設置され、事務は翌4日に開始されました。最初の区長には矢部常行氏が就任し、その後、多くの歴代区長が引き継いでいきました。

1889年には市制が施行され、東京府東京市麹町区となりました。その後、数十年にわたり、様々な学校や施設が設立され、文化的な発展も見られました。1903年には日比谷公園が開園し、1907年には東京女子薬学専門学校が移転、1910年には王子電気軌道の本社事務所が設置されました。

その後、1930年代には、社会情勢の変化に伴い、区の名称が変更されたり、地域によっては震災の影響を受けたりしました。また、1945年の東京大空襲では、区域内の多くの施設が被害を受け、最後の区議会である1946年12月27日に、麹町区と神田区を統合し千代田区とする決議がなされました。

1947年3月15日、正式に千代田区が発足し、麹町区の歴史は幕を閉じました。設立から約70年の歴史を持つ麹町区は、その後の東京都の発展に重要な役割を果たしました。

行政と地域の施設

麹町区には多くの著名な教育機関が存在しました。法政大学、上智大学、日本女子経済専門学校など、多くの高等教育機関が集まっており、教育の中心地でもありました。また、東京都立の中学校や女子学院、千代田女子専門学校もその一環です。地域は交通の便も良く、東京駅や有楽町駅、飯田橋駅などの主要な駅があり、都電や路線バスも便利に運行されていました。

このように、麹町区は東京の歴史的な変遷と発展に深く関わり、多くの重要な施設や文化が育まれました。現在の千代田区にその名残を残しており、当時の影響を感じさせる地域として注目されています。

もう一度検索