中央気象署震度階級

中央気象署震度階級（CWASIS）について

中央気象署震度階級（CWASIS、中国語: 交通部中央氣象署地震震度分級）は、台湾における地震の揺れを測るための指標です。台湾の気象を管轄する中央気象署によって定められています。

制定の背景

この震度階級は、1999年に発生した集集地震を教訓として、2000年に導入されました。当初は、日本の旧気象庁震度階級を参考に、震度0から7までの8段階で構成されていました。この震度階級は、最大地動加速度（PGV）を基に算出されていましたが、短周期地震動による瞬間的な加速度が実際の被害状況と乖離するケースが多発していました。

2020年の改正

このような問題点を改善するため、2020年1月1日に震度階級が大幅に改正されました。主な変更点は以下の通りです。

1. 震度階級の細分化: 従来の8段階から、改正気象庁震度階級と同様に、震度5と6をそれぞれ「弱」と「強」に細分化した10段階の震度階級に変更されました。これにより、より詳細な揺れの強さを表現できるようになりました。
2. 計算方法の変更: 震度5以上を観測した地点では、短周期地震動をローパスフィルタに通す処理を加え、震度と被害状況の関連性を高めるように計算方法が変更されました。これにより、短周期地震動による過大評価が抑制され、より実態に近い震度を算出できるようになりました。

各震度の目安

中央気象署震度階級は、震度0から震度7までの10段階で、揺れの強さとそれによって想定される被害状況を以下の様に分類しています。

震度0: 人は揺れを感じない。地震計でのみ観測される。
震度1: 静かにしている人が、わずかに揺れを感じる程度。
震度2: 多くの人が揺れを感じ、戸やふすまがわずかに音を立てる程度。
震度3: 家全体が揺れ、食器などが音を立てる程度。
震度4: ほとんどの人が揺れを感じ、電灯などが大きく揺れる。歩行が困難になる人もいる。
震度5弱: 固定していない家具が移動したり、不安定な物が倒れる。多くの人が恐怖を感じる。
震度5強: 固定していない家具が倒れたり、壁にひびが入ったりする。行動が困難になる。
震度6弱: 立っていることが困難になり、固定していない家具の多くが倒れる。建物の壁や窓に大きな被害が出始める。
震度6強: 建物に大きな被害が出始める。多くの人が身を守る行動が必要となる。
震度7: 立っていることができず、建物の倒壊や地割れなど、甚大な被害が発生する。

最大震度7を観測した地震

1994年5月以降、台湾で最大震度7を観測した地震については、中央気象署地震測報センターの地震活動彙整で確認できます。

まとめ

中央気象署震度階級（CWASIS）は、台湾における地震の揺れを正確に把握し、災害対策に役立てるための重要な指標です。2020年の改正により、短周期地震動の影響を考慮した、より実態に即した震度評価が可能となりました。地震発生時には、この震度階級を参考に、適切な行動を取ることが重要です。

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