中央線 (道路)

中央線とは

中央線とは、道路において車両の通行を方向別に区分するために設けられた線、または構造物のことです。英語では「センターライン（center line）」と呼ばれます。日本では、走行方向と対向車線の境界を示す役割を果たしており、安全な交通を確保するために重要な役割を担っています。

中央線の種類

中央線には、主に以下の2種類があります。

中央線: 白の実線または破線、黄色の実線で示される線
中央分離帯: ガードレールや植え込みなどの構造物

法令上は、線で示されたものも構造物で示されたものも、どちらも「中央線」として扱われます。

中央線の意味

中央線は、道路の中央に引かれているとは限りません。交通量や車線数の違いによって、左右に偏って引かれている場合もあります。

白色の実線: 片側2車線以上の道路で多く見られ、原則として追い越しのためのはみ出しが禁止されています。
白色の破線: 片側1車線の道路で多く見られ、追い越しのためのはみ出しが許可されています。
黄色の実線: 道路の幅に関わらず、追い越しのためのはみ出しが禁止されています。

また、坂道や急カーブがある道路では、異なる2本の線が引かれている場合があります。この場合、走行車線側の線が走行方向の規制線、対向車線側の線が対向車線側の規制線を示しています。

中央線変移

中央線変移とは、時間帯などの条件によって中央線の位置が移動するシステムのことです。これは、主に道路幅員を十分に確保できない箇所や、特定の時間帯に交通量が偏る道路で採用されます。中央線が移動することによって、進行方向が変わる車線は「可逆車線（リバーシブルレーン）」と呼ばれます。

中央線変移は、道路を効率的に活用し、渋滞を緩和する効果が期待できます。しかし、ドライバーの誤認による逆走や正面衝突の危険性があるため、近年では廃止が進んでいます。2000年には全国に35区間存在しましたが、2023年には9都県の19区間まで減少しました。

まとめ

中央線は、道路における安全な交通を確保するために不可欠な存在です。中央線の種類や意味を理解し、安全運転を心がけましょう。

参考文献

浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』（初版）日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。

関連項目

車線
車両通行帯
* リバーシブルレーン

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