中山勲章

中山勲章

中山勲章（ちゅうざんくんしょう）は、中華民国において采玉大勲章に次ぐ高位の勲章です。その名称は、中華民国の建国者である孫文（孫中山）の号に由来します。

概要

中山勲章は、1941年2月12日に制定されました。国家の建国に対して特別な功労があった人物に授与されるもので、その受章者は非常に限られています。2020年現在、受章者は鄭照、鍾宇、呂秀蓮、陳建仁の4名のみであり、総授与数は最高位勲章である采玉大勲章よりも少ない、非常に希少な勲章として知られています。采玉大勲章は主に国家元首レベルの人物を対象とするため、中山勲章は事実上、一般市民が受章できる最高位の勲章と言えるでしょう。

受章条件

中山勲章を受章するためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

計画的に国家の安定を図る
国家の中枢を支え、混乱の平定に尽力する
建国事業に特別な貢献を行う

意匠

勲章のデザインは、青色の五角形状の星を基調とし、その間から金色の光芒が放たれています。正章の中央には孫文の肖像が描かれており、これは彼が築いた中華民国の建国精神を象徴するものです。副章の中央には、三民主義を表す書物が描かれており、国家の根幹をなす思想を示しています。綬と副章を繋ぐ紐には、中華民国の国章があしらわれています。

中山勲章には等級の区別はなく、勲章には副章と大綬が付属します。大綬は右肩から左斜め下へ掛けるように着用します。大綬の色は、中央が青色、その両脇が白色、そして両端に赤色が配されており、タイの国旗に類似した配色となっています。

受章者

鄭照： 1944年、建国事業への貢献が評価され受章。孫文の旧友であり、興中会の創設メンバーの一人。国民政府は興中会創設50周年を記念し、彼の功績を称えました。1945年には、ホノルルの領事館で受章式典が開催されました。
鍾宇： 1944年、鄭照と同様に建国事業への貢献により受章。彼もまた孫文の旧友であり、興中会の創設メンバーです。鄭照と共にホノルルでの式典で栄誉を受けました。
呂秀蓮： 2008年、中華民国副総統として長年にわたり国家の中枢を支えた功績が認められ受章。通常、副総統には中正勲章が贈られますが、2期8年にわたる貢献が評価され、より高位の中山勲章が授与されました。
* 陳建仁： 2020年、呂秀蓮と同様に中華民国副総統として国家の中枢を支えたことが評価され受章しました。

中山勲章は、中華民国の歴史と深く結びついた、非常に名誉ある勲章と言えるでしょう。

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