中山北路 (台北市)

中山北路の概要

中山北路（ちゅうざんほくろ）は、台湾の台北市を南北に貫通する重要な幹線道路です。この道は、台湾省道台1甲線としても知られ、都市の交通の大動脈を形成しています。中山北路は、台北駅から南東に位置する行政院前の交差点を起点として、士林方面へと延びています。この道の南側にある通りは中山南路と名付けられており、中山路を基準に、忠孝路などの東西の通りが切り分けられています。

例えば、忠孝路は中山路の東側に向かっていく忠孝東路と西側の忠孝西路に分かれ、各路は中山路からの距離に応じて一段、二段、三段と段数が振られます。このように、区画が整理されているため、道名からも位置がわかりやすくなっています。中山北路という名称は、中国の革命家孫文の号に由来しています。

歴史的背景

中山北路の歴史は、清朝の乾隆帝の時代にまでさかのぼります。当初は士林、北投へ続く小道でしたが、1901年に日本が台湾を統治する際、台北北部に台湾神社が建設されると、この道の一部分が参拝用の道路として整備され、「勅使街道」と名づけられました。その幅は14メートル、長さは3,190メートルでしたが、実際には電柱や街路樹によって道幅が狭められ、実質的には約10メートルしかなかったため、その後の拡張が検討されました。

台湾神社の拡張計画と共に、1936年から1940年にかけて道路の改良工事が行われ、両側に緩速車道と遊歩道が設けられ、全幅40メートルの五線道路として再整備されました。台湾総督府はこの勅使街道を東京の昭和通りや大阪の御堂筋に匹敵する大通りに育て上げる計画を持っていました。

現代の中山北路

第二次世界大戦後、勅使街道は現在の名称である中山北路に改称され、1954年には台湾初の立体交差型の橋が設置されました。また、1965年には中山北路を潜る形で設けられた地下歩道が、台北市内で初めてのものでした。1974年には士林区に位置する街路が中山北路の五段および六段として整備され、1982年には天母一路が七段に統合されました。これらの段区分は交通の円滑化と地域の発展にも寄与しています。

中山北路の七段は、豊かな緑に囲まれつつもショッピングエリアとして高級感が漂い、富裕層の居住地として知られています。この地域では、洗練された店舗が並び、地元住民や観光客が行き交い、活気あふれる雰囲気が醸し出されています。

各段の区域について

• - 一段: 忠孝東、西路との交点を基準に北に向かい、南京東、西路と交わるまでの区間。市民大道以南は中正区、以北は中山区です。
• - 二段: 南京東、西路から民権東、西路辺りまでの中山区に属します。
• - 三段: 民権東、西路から中山橋までの間で、こちらも中山区です。
• - 四段: 中山橋を跨いで士林区、または中山区との境界線までを含みます。
• - 五段: 士林区と中山区の境界線から福林橋北端の福國路入り口まで。士林区に位置しています。
• - 六段: 福國路から天母広場までの範囲、士林区内です。
• - 七段: 天母広場から天母水管歩道までの地域です。

このように中山北路は、その名称や道筋だけに留まらず、歴史的背景や発展の過程を通して、台北市の文化や社会に深く根付いています。地元の人々にとっても、観光客にとっても、欠かせない存在の道路と言えるでしょう。

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