台北駅

台北駅：台湾の交通大動脈

台北駅は、台湾の首都台北市の中心部に位置する、台湾鉄路（台鉄、TRA）、台湾高速鉄路（高鉄、THSR）、そして台北捷運（MRT）の3つの主要な鉄道網が交わる巨大なターミナル駅です。この駅は、台湾の交通における最も重要なハブの一つであり、国内各地からの旅行者や通勤客が毎日利用しています。駅の規模と利用客数は、ヨーロッパ最大の駅であるパリ北駅を上回るほどであり、その重要性を示しています。

駅の概要

台北駅は、台鉄の特等駅として機能し、台鉄の本部も設置されています。縦貫線（西部幹線と東部幹線）が乗り入れており、かつては淡水線も乗り入れていました。2007年には高鉄が開業し、2016年まで始発駅としての役割を果たしていました。台北捷運では「台北車站」と表記され、淡水信義線（R10）と板南線（BL12）の駅番号が割り振られています。2017年には、桃園国際空港と接続する機場捷運も乗り入れ、より利便性が向上しました。

駅の北方にある台北転運站は、高速バスのターミナルとして機能し、ここから発車するバスは、直接高速道路を利用できるため、台北駅周辺の平面道路を通る必要がありません。台湾では、台北車站を省略して「北車」と呼ばれることが多いです。

歴史

台北駅の歴史は、清朝統治時代の1891年に「台北火車碼頭」として開業したことに始まります。当時は現在地よりも西側、淡水河の右岸に位置していました。その後、日本統治時代を経て、1901年に現在の場所に移転し、2代目の駅舎が使用されました。1941年には、3代目の駅舎が供用を開始しましたが、老朽化のため1986年に取り壊され、臨時駅舎が使用されました。1989年には、現在の4代目駅舎と地下化工事が完成しました。その後、1997年に捷運淡水線、1999年に捷運板南線が開業し、2007年には高鉄も乗り入れるようになりました。

2001年には、台風により駅が水没する被害も受けましたが、その後復旧しました。2012年には駅舎の全面改装工事が完了し、旅客動線の改善や施設の改修が行われました。2015年には、台鉄の駅が大阪駅と姉妹駅提携を結びました。2016年には、高鉄が南港駅まで延伸し、台北駅は始発駅としての役割を終えました。

駅構造

現在の駅舎は、地上6階、地下2階建てで、高鉄と台鉄、捷運の各路線が乗り入れています。地上部分は、台鉄本部オフィスや民間企業、団体が入っており、2階には商業施設「微風台北車站」があります。1階には、台鉄と高鉄の切符売り場、観光案内所、鉄道警察分駐所などの施設があります。

地下1階は改札階で、台鉄と高鉄の改札口が分かれています。地下2階には、高鉄の島式ホーム2面4線、台鉄の島式ホーム2面5線が設置されています。高鉄ホームには、南港延伸時に初の可動式ホーム柵が設置されました。台鉄と高鉄のホームの間には仕切りがなく、見渡すことができます。地下改札口は、北側が台鉄、南側が高鉄用となっており、中央寄りが乗車専用、東端と西端側が降車専用となっています。1階には鉄道グッズショップ「台鉄夢工場」があります。地下1階の通路にはコインロッカーが設置されており、大型のスーツケースにも対応しています。

捷運の駅は、淡水信義線が地下4階、板南線が地下3階に位置し、いずれも島式ホーム1面2線です。各ホームには可動式ホーム柵が設置されています。改札外コンコースには、捷運グッズを販売する「台北捷運商品館」があります。

利用状況

台北駅は、非常に多くの人が利用する駅であり、2014年には年間乗降人員の合計が1億9千万人を突破し、ヨーロッパ最大のパリ北駅を上回る利用客数となりました。2016年のデータによると、台北捷運の1日平均乗降人員は約314,109人と、捷運の中で最も利用されています。2018年の台鉄の1日平均乗降人員は120,760人で、長年台鉄の中で1位を占めています。

駅周辺

駅周辺には、商業施設、ホテル、公共施設、観光スポットなどが集まっています。主な出口としては、M区（誠品站前店）、R区（中山地下街）、Y区（台北地下街）、Z区（站前地下街）などがあります。周辺には、コスモスホテル、シーザーパークホテル、国立台湾博物館、台北当代芸術館などの施設があります。また、台北転運站やQスクエアといった商業施設、桃園捷運機場線、台北捷運中山駅、北門駅など他の駅との接続も容易です。バス路線も多数乗り入れており、市内各地へのアクセスが可能です。

台北駅周辺のバス路線

台北駅周辺には、多くのバス路線が乗り入れており、台北市内の各方面や郊外へ移動することができます。主なバス停としては、台北車站（忠孝）、台北車站（公園）、台北車站（東3門／東側門／北平）、台北車站（承德）、台北車站（青島）、台北車站（重慶）、台北車站（開封）、台北車站（鄭州）、後車站、行政院、台北郵局（撫台街洋樓）、延平鄭州路口、台北地下街（北門）／北門、北平西路／忠孝西路／台北車站などがあります。

隣の駅

台湾高速鉄路
南港駅 - 台北駅 - 板橋駅

台湾鉄路
松山駅 - 台北駅 - 万華駅

台北捷運
淡水信義線：中山駅 - 台北車站駅 - 台大医院駅
板南線：善導寺駅 - 台北車站駅 - 西門駅

まとめ

台北駅は、台湾の交通の中心地として、多くの人々にとって欠かせない存在です。その歴史と規模は、台北の発展とともに歩んできました。今後も、その交通インフラとしての重要な役割は変わらず、多くの人々に利用され続けることでしょう。

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