中山峠スキー場

中山峠スキー場

北海道虻田郡喜茂別町にある中山峠スキー場は、その名の通り標高830メートルの中山峠頂上付近に位置するスキー場です。この高所という特性を活かし、豊富な天然雪に恵まれています。周辺には雄大な自然が広がり、特に晴れた日には「蝦夷富士」とも称される羊蹄山の美しい姿を眺めながらの滑走が可能です。

特徴的な営業期間と魅力

中山峠スキー場の最も大きな特徴は、そのユニークな営業スタイルです。かつては11月上旬から5月のゴールデンウィークまで、北海道内でもトップクラスの長い営業期間を誇り、ロングラン営業のスキー場として知られていました。しかし近年は、積雪や気候条件の変化に対応し、営業期間を限定するスタイルへと移行しています。

現在の主要な営業期間は、全国でも屈指の早さでシーズンを開始する「初すべり」の期間と、春の暖かい陽気の中で楽しめる「春スキー」の期間です。天然雪に恵まれるため、日本最速級のオープンを実現することが多くあります。積雪量が非常に多いため、初すべり期間は概ね12月上旬に一度終了し、ゲレンデ整備などを経て、3月下旬頃から再び春スキー期間として再開します。春スキーは例年5月の連休後まで続くことが多く、過去には6月上旬まで滑走できた記録（2013年6月2日）もあり、その雪持ちの良さは特筆されます。

春スキー期間の楽しみの一つとして、雪上に特設された野外焼肉コーナーがあります。ゲレンデサイドで雪景色を眺めながらのバーベキューは、このスキー場ならではのユニークな体験として人気を集めています。

アクセスの利便性

標高の高い場所にありながらも、中山峠スキー場は都市部からのアクセスが比較的容易です。札幌市内からは車で約60分と、日帰りでのスキー・スノーボードに非常に便利な立地です。また、近隣のリゾート地であるルスツリゾートからは約30分でアクセスできます。

車を利用する場合の出入り口は、国道230号線の中山峠頂上にある道の駅「望羊中山」の施設と共通しています。公共交通機関を利用する場合は、道南バスの札幌洞爺湖線または札幌豊浦線に乗車し、「中山峠」停留所で下車後、徒歩およそ15分でスキー場に到着します。

ゲレンデ構成とリフト設備

ゲレンデは、初心者から上級者まで様々なレベルのスキーヤー・スノーボーダーに対応できるよう、3つのコースが設けられています。先述の通り、コースからの羊蹄山の眺めは絶景であり、多くの利用者に感動を与えています。

リフト設備については、かつては第一ペアリフト、第二ペアリフト、そして第二シングルリフトの計3基が稼働していましたが、現在は第一ペアリフトの1基のみで営業を行っています。なお、廃止された第二ペアリフトの終点付近が蓬莱山山頂近くにあたり、この地点がスキー場の最高標高地点である830メートルとされています。

歴史と関連施設

中山峠スキー場は、1966年に「中山峠健民センター宝乗山スキー場」として開かれました。過去には「国設中山峠スキー場」と名乗っていた時期もあり、現在も国有林野内に位置しています。周辺には、道の駅「望羊中山」や「中山峠写真の森美術館」といった関連施設があり、これらの施設を含めて一括で管理・運営されています。2003年シーズンからは、日本各地でレジャー施設を展開する加森観光株式会社が運営を担っています。過去には、2007シーズンに「ナチュラルライドパーク」としてスノーパークのアイテムを拡充するなど、特定の滑走スタイルにも力を入れていた時期があります。

現在、中山峠スキー場は、その独特の営業期間とアクセスの良さから、特にシーズンの始まりを待ちきれない人々や、春遅くまで雪を楽しみたい人々に愛されるスキー場として親しまれています。

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