中山弘正

中山弘正（なかやま ひろまさ）は、1938年に生まれ、日本の経済学者として活躍しました。明治学院大学では名誉教授の称号を持ち、キリスト教研究所の名誉所員、そして第10代の院長も務めました。

生い立ちと学歴

中山弘正は、海軍軍人であった中山定義の長男として、長崎県佐世保市で生まれました。1961年に東京大学経済学部を卒業後、1963年には同大学の大学院修士課程を修了しました。さらに、1966年には法政大学大学院博士課程を修了し、1974年には東京大学から経済学博士の学位を授与されました。

研究活動と教育

1968年、中山弘正は明治学院大学経済学部の専任講師として教鞭を執り始めました。その後、1976年には教授に昇進し、研究と教育に尽力しました。1977年6月から1978年3月にかけては、科学者交流の一環としてモスクワに滞在し、現地の社会や経済に関する知見を深めました。

明治学院大学院長としての活動

1994年から1997年まで、中山弘正は明治学院の第10代院長を務めました。院長在任中の1995年1月には、東京在住の両親が相次いで亡くなり、喪主を務めました。同年5月には、自身の戦争責任を告白するという行動も起こしました。

キリスト教との関わり

中山弘正は長老派のクリスチャンとしても知られています。信仰と学問の両面から、社会と向き合ってきました。

主な著書

中山弘正は、ソ連やロシアの経済に関する多くの著作を発表しています。主な著書として、以下のようなものがあります。

『現代ソヴエト農業』（東京大学出版会、1976年）
『膨張する社会主義、ソ連』（現代評論社、1977年）
『ほほえみはひとつ-古風なソビエト気候』（ヨルダン社、1981年）
『ソビエト農業事情』（NHKブックス、1981年）
『帝政ロシアと外国資本』（岩波書店、1988年）
『ペレストロイカの中に住んで』（1989年）
『ロシア　擬似資本主義の構造』（岩波書店、1993年）
『学院の鐘はひびきて-ある戦後史』（1996年）
『現代の世界経済』（2003年）

共著

中山弘正・上垣彰・辻義昌『現代ロシア経済論』（岩波書店、2001年）

これらの著書を通じて、中山弘正はソ連、ロシア経済に関する深い洞察を示し、日本の経済学研究に貢献しました。また、大学院長としての経験やキリスト教への信仰に基づいた社会観も、その活動を特徴づける要素となっています。

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