中山定義

中山 定義の略歴と業績

中山定義（なかやま さだよし、1905年8月16日 - 1995年1月16日）は、日本の海軍軍人および海上自衛隊の幹部として知られています。彼は島根県出雲市で生まれ、海軍兵学校を第54期生として卒業しました。成績は優秀で、恩賜の短剣を授与されています。この卒業期は、ワシントン軍縮会議の影響で海軍士官の採用数が減少した時期にあたります。

軍歴の初期

中山は、卒業後に海軍少尉として1等海防艦「八雲」に乗務し、その後、練習艦隊による遠洋航海に出航しました。この経験は彼のキャリアにとって重要であり、さまざまな国の港を訪問しました。彼はその後、艦隊の指揮官や艦艇の指導役として着実に昇進し、最終的には海軍大学校に進学しました。

日中戦争とその後

海軍大学校在学中に始まった日中戦争では、中山は人手不足のために中国に派遣されます。彼はその後、軍務局などで多くの重要な役割を担い、終戦に至るまで多くの機密事項に関与しました。彼は陸軍との情報交換を図るため、陸軍内部に接触し、情報を収集していました。中山は陸軍の主張する本土決戦に対して異を唱え、部下や上層部にその危険性を報告していました。

戦後の活躍

戦後は公職追放を経て、海上自衛隊に入隊します。彼は海軍での経歴を生かし、幹部学校で教育制度の充実に尽力しました。特に、戦争体験の少ない幹部に対し、帝国海軍の先輩を招聘して講義を行わせるなど、後進の育成にも力を注いだことが評価されています。その講義は後に部内資料としてまとめられ、さらに出版されることになりました。

受賞歴と晩年

中山は、1963年にはアメリカ政府からレジオン・オブ・メリットを授与され、1975年には勲二等瑞宝章を受章しました。彼は1995年に東京都世田谷区の病院で急性心不全により亡くなります。彼の葬儀は妻と合同で行われ、長男が喪主を務めました。

主要な著作

中山定義は、『一海軍士官の回想 開戦前夜から終戦まで』など、多くの著書を残しています。彼の著作は、戦争の記憶を後世に伝える重要な資料として評価されています。

中山定義の人生は、日本の海軍および海上自衛隊において重要な役割を果たしたことを示しています。彼の業績は後の世代にも影響を与え、多くの人々に敬意を表されているのです。

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