中山道鵜沼宿脇本陣

中山道鵜沼宿脇本陣

概要

中山道鵜沼宿脇本陣は、岐阜県各務原市鵜沼西町に位置する文化施設であり、地域の観光や歴史に触れるための拠点となっています。この施設は、かつて中山道の脇本陣であった坂井家の跡地に復元され、2010年5月に開館しました。坂井家は1891年に発生した濃尾地震によって倒壊したため、その歴史を受け継ぐ形で新たに建設されています。

この脇本陣の間取りは、安政7年に製作された鵜沼宿家並図を基にしており、当時の生活空間をほぼ忠実に再現したものとなっています。また、外観については寛政12年製作の中山道分間延絵図を参考にしていますが、詳細が不明な部分もあり、同じ地域にある歴史的な建物のデザインを考慮しつつ復元されています。

松尾芭蕉との関わり

坂井家には、江戸時代の著名な俳人である松尾芭蕉が数回滞在したことが知られています。芭蕉が自ら刻んだと言われる珪化木の句碑や、彼の作品「更科紀行」を記した碑が展示されており、訪れる人々は彼の足跡を感じることができます。このように、中山道鵜沼宿脇本陣は文学と歴史が交差する場所でもあります。

建築概要

建物は切妻屋根のスタイルで、門や玄関、上段の間を備えており、内部は多様な空間が展開されています。畳の間は13室あり、湯殿は3か所、板間や土間も配置されています。建物の一部は2階建てですが、2階は天井が低く設定されています。このような構造は、当時の居住空間を反映しており、訪問者はその雰囲気を実際に感じることができます。

脇本陣全体の建築面積は344.59平方メートル、床面積は286.79平方メートルです。特に畳の間や板間、土間の一部は有料で貸し出しが可能で、事前に予約をすることで利用できます。

利用案内

中山道鵜沼宿脇本陣の所在地は、岐阜県各務原市鵜沼西町1丁目137番地です。開館時間は午前9時から午後5時までで、休館日としては月曜日（祝日の場合は翌日）、祝日の翌日（その日が土日月曜または祝日の場合はさらにその翌日）、年末年始（12月28日から1月4日）があります。

最寄駅としては名鉄各務原線の鵜沼宿駅から徒歩約15分、またJR高山本線の鵜沼駅や新鵜沼駅からも徒歩約20分でアクセス可能です。さらに、各務原市ふれあいバスの鵜沼線を利用すると、「鵜沼西町」バス停から徒歩約2分で到着します。

その他

周辺の鵜沼宿一帯は、江戸時代の町並みを再生整備していることから、歴史的な景観を楽しむことができる場所でもあります。中山道鵜沼宿脇本陣は、そうした整備によって復元された貴重な文化施設であり、地域の文化を感じるための場所となっています。

訪問者は、鵜沼宿に残る他の歴史的建物として、旧旅籠「絹屋」や坂井家住宅、菊川酒造、安田家住宅なども合わせて訪れることで、より円滑にこの地域の文化を理解することができるでしょう。

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